研究課題/領域番号 |
12033206
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小堤 保則 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (70205425)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | krabbe病 / globoid cell leukodystrophy / 多核細胞 / psychosine / macrophage / 代謝異常症 / スフィンゴ脂質 / U937 cells |
研究概要 |
先天性スフィンゴ糖脂質代謝異常症であるGloboid cell leukodystrophyは別名Krabbe病とも呼ばれ、galactosylceramideを分解する特異的β-galactosidase欠損症である。この酵素欠損によりgalactosylceramideとそれに関連する糖脂質が蓄積することが知られている。本症患者は、重篤な神経疾患を発症し2-3歳で死亡することが多い。また、galactosylceramideを含む脳内に、globoid cellと呼ばれる巨大な多核細胞が病気の進行に伴って出現することが知られている。本症の名前はこの細胞の名前に由来する。本症は、その原因遺伝子が特定されているにもかかわらず、重篤な神経疾患の原因、さらに巨大な多核細胞産生機構はほとんど明らかにされていない。私は、β-galactosidase欠損に伴い蓄積されるスフィンゴ糖脂質が巨大多核細胞の産生に関わっていると考え、培養細胞系を用いた巨大多核細胞産生モデル系の構築に成功した。培養細胞株と蓄積が予想される種々の脂質の組み合わせを変えて検討したところmacrophage系の培養株にgalactosylceramideのリゾ体であるpsychosine(galactosylsphingosine)を加えた際に、巨大多核細胞が産生することを見いだした。さらに、多核細胞の生成は細胞質分裂阻害によること、また、細胞分裂阻害に先行して細胞の核と同程度の大きさのアクチンフィラメントの巨大塊の形成が認められること、類似の現象が出芽酵母の系を用いても起こることも明らかにした。また、構造類似体である、glucosylpsychosineでも同様に多核形成が認められた。
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