研究課題/領域番号 |
12033212
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
中藤 博志 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90275008)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | ショウジョウバエ / プロテオグリカン / ヘパラン硫酸 / 硫酸基転移酵素 / cDNA |
研究概要 |
ヘパラン硫酸は細胞表面や細胞外マトリックスの主要な構成成分として広く生体内に分布し、細胞増殖・分化、細胞接着、酵素反応調節といった様々な生物学的機能に関与する。ヘパラン硫酸と様々な結合タンパク質の特異的な相互作用は、ヘパラン硫酸の特定の硫酸化パターンにより調節されることが示唆されている。このヘパラン硫酸の各部位の硫酸化は、各硫酸基転移酵素(N、2-O、6-O、3-O-硫酸基転移酵素)により触媒されている。しかし個体発生におけるこれらの酵素の機能やその作用機構に関しては、未だに多くの点が不明である。本研究では、ヘパラン硫酸配列決定の律速段階を触媒すると考えられているヘパラン硫酸3-O-硫酸基転移酵素(HS3ST)に注目している。ショウジョウバエには2つのHS3ST遺伝子、DmHS3ST-a,-bが存在し、それぞれに対する全長のcDNAクローンを単離した。それぞれのmRNAを検出したところ、いずれの発生段階においても特定の組織や細胞に局在せず、広く分布することが明らかになった。初期胚への二本鎖RNA注入による機能阻害実験をおこなったところ、dHS3ST RNAを双方同時に注射した胚では歯状突起および頭部構造の欠失が観察された。一方、dHS3ST-B遺伝子を異所的に活性化すると背板機械感覚毛の形成に異常をきたすことから、ヘパラン硫酸の3-O位の硫酸化が特定のシグナル伝達系に必要であり、このシグナル系が初期胚の形態形成に機能していることが示唆された。
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