研究課題/領域番号 |
12034201
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
藤田 寿一 北海道大学, 医学部, 助手 (30212187)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2000年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | ゲルソリン / Yeast two-hybrid / GFP融合タンパク質 |
研究概要 |
細胞運動はアクチンの重合-脱重合による細胞骨格のダイナミックな変動に規定されている。ゲルソリンは、アクチン線維の切断およびその末端の保護、また、重合核形成によるアクチン線維伸長の促進という3つのアクチン重合調節機能を持つ。これらの厳密に調節された両面性の機能を通じてゲルソリンは重合-脱重合という両局面を制御して、細胞運動において重要な役割を担っている。ゲルソリンと相互作用するタンパク質を同定し、解析することで、アクチン細胞骨格再構築の情報伝達系に関与する因子群を見い出し、その分子機構を解明し得ると考えた。ゲルソリンのN末端半分のG1-3、あるいはC末端約100アミノ酸残基を欠失した変異体(C-del)はCa2+イオン非依存性にアクチン線維を切断する。発光オワンクラゲ由来の蛍光タンパク質GFP(Green Fluorescence Protein)との融合タンパク質としてCos7細胞で発現したところ、細胞死が起こった。酵母細胞において、Ca2+イオン非依存性欠失変異体が同様にアクチン線維を切断するならば、Cos7細胞と同様に致死性になると考え、この性質を利用し酵母の生存を指標にする、強力な選別システムを構築し、全タンパク質の数%を占めるアクチンを除外し、かつゲルソリンに相互作用する因子のcDNAを効率良く得ることが可能であると考えた。Two-hybrid systemで用いられるLex AのDNA結合領域を有し、その発現が、ガラクトース添加により誘導可能な発現ベクター(pGlida)に、ゲルソリン欠失変異体cDNAを組み込んで、選別用酵母細胞株(EGY48)に導入した。これらのゲルソリン欠失変異体の発現が酵母に対して致死性であるかどうかを、ランダムに選別した3クローンをガラクトース存在下で培養し検討したところ、予想に反し、酵母細胞は増殖可能であった。LexAには核内移行シグナルがあるため、核内に欠失変異体が蓄積したことで細胞死が起こらなかった可能性を考え、先と同様の誘導可能な発現ベクター(pKO10)にゲルソリン欠失変異体cDNAを組み込み、酵母の増殖検討後、マウス脳cDNAライブラリーを導入して、ゲルソリン結合因子をスクリーニングした。しかし、候補クローンの塩基配列決定した結果、十分な長さのアミノ酸配列を規定する確実な陽性クローンは、現在までのところ得られてない。また、平行して、ゲルソリンのアクチン結合領域をを除去したいくつかのセグメントをBaitに用いて、通常のTwo-hybrid screen-ingを試みたが、先と同様、現時点では確実な陽性クローンが得られていない。
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