研究課題/領域番号 |
12035202
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
山崎 晶 千葉大学, 大学院・医学研究科, 助手 (40312946)
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研究分担者 |
斉藤 隆 千葉大学, 大学院・医学研究科, 教授 (50205655)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2000年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | HIV / CTL / IL-2 / TCR / トランスジェニックマウス / レパトア / モノクローナル抗体 |
研究概要 |
HIV初期感染防御にCTLが重要な役割を果たしていることが報告されているが、その詳細な機構は明らかでない。そこで、HIVに対するCTL活性化機構をin vivoで解明するため、HIV env gp160P18IIIB特異的CTLクローンRT-1由来TCRのTgマウスを作製した。TCRα鎖およびTCRβ鎖のみを発現するTgマウスを用いて、抗原に応答するT細胞のレパトアを解析したところ、α鎖は元来のRT-1α鎖が選択されるのに対し、β鎖のレパトアには多様性が認められた。さらに、TCRα鎖のトランスフェクタントを用いて、抗原認識に関与するTCRβ鎖を解析したところ、Tgマウスでない正常マウスのTCRβ鎖でも、CDR3領域非依存的に抗原を認識し得るという新しいTCRの抗原認識機構が明らかとなった。 また、このTgマウスのCD8^+T細胞を抗原刺激することによって、gp120発現細胞に対するCTLを誘導することができた。この時FK-506、CsAでTCRシグナルをブロックしても、IL-2単独の添加によって抗原特異的CTL活性は誘導された。また抗原によるCTL誘導の際、抗IL-12、抗IL-18、抗体IFNγ抗体を添加しても抗原特異的CTL活性に影響はなかったが、抗IL-2R抗体の存在下ではCTL活性もパーフォリンの産生も検出されなかった。さらに、CD8^+T細胞を短時間IL-2存在下で培養すると、IL-2濃度依存的にパーフォリンを産生した。以上より、増殖に必須なサイトカインと考えられていたIL-2はCTLの誘導にも必須な因子であり、またCTL分化は必ずしも細胞増殖を伴わないことが明らかとなった。これらの結果は、今後HIV特異的CTLの誘導を考える上で重要な知見となり得ると考えられる。さらに、RT-1 TCRを認識するクロノタイプ特異的モノクローナル抗体を樹立し、現在CTLのin vivoでの動態を解析中である。
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