研究課題/領域番号 |
12035222
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 広島県立大学 |
研究代表者 |
宇田 泰三 広島県立大学, 生物資源学部, 教授 (20232837)
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研究分担者 |
一二三 恵美 広島県立大学, 生物資源学部, 助手 (90254606)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | HIV / gp41 / 抗原 / 抗体酵素 / 逆転写酵素 / ペプチド |
研究概要 |
これまでの抗HIV薬はRTやプロテアーゼあるいはコレセプターなどの働きを阻止する阻害剤の開発が主流となっている。こうした現在の方法とは全く異なる機構で働く抗HIV薬(我々の見出した「スーパー抗体酵素」)を開発するのが本研究の主目的である。今年度は「スーパー抗体酵素」の基本的な性質を明らかにし、活性の向上に結びつける事と、抗HIV薬として開発するためのin vitroの実験に関連した研究に注力する事を計画の柱とした。以下に本年度の成果を要約する。1)「スーパー抗体酵素」の活性発現において金属イオン之Fe,ZnおよびCaが重要な役割を演じている事が判明しているが、これら金属イオンは「スーパー抗体酵素」が高い活性を示す前の誘導期仁おいて大きな効果を表す事から、金属イオンは「スーパー抗体酵素」が抗原と出会った後、自身の構造変化を行うのに必要であると推測された。そして、「スーパー抗体酵素」は金属プロテアーゼではないと結論される。2)「スーパー抗体酵素」に対してPMSFは不可逆的な阻害を行わず、一時的に可逆的な阻害作用を示すことから、「スーパー抗体酵素」はセリンプロテアーゼとは少し異なる性質を持つと思われる。3)今年度、調製する「スーパー抗体酔素」の濃度を10倍向上させる計画であったが、refoldingの条件が厳しくて、この目標の濃度ではきれいなrefoldingが起こらない事が判った。しかし、「スーパー抗体酵素」が極低濃度(pM)でも有効に作用する事が判明したので、この結果をin vitro試験に役立たせる。4)「スーパー抗体酵素」のCDR-1に対する抗イディオ抗体を作製したところ、この抗体軽鎖にきれいな三ツ組残基が表現されており、しかもこの軽鎖がペプチダーゼ活性を持つことが判った。5)HIV増殖抑制試験をvitrinoで行うため再度米国で実施したが、条件が前回と異なっていたためか、効果を見いだせなかった。来年度詳しく調べる予定である。
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