研究課題/領域番号 |
12036205
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
辻 浩一郎 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50179991)
|
研究期間 (年度) |
2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2000年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
|
キーワード | 全胚胎仔培養法 / 二次造血 / 卵黄嚢 / B細胞 |
研究概要 |
(目的)胎仔キメラを作製して、成体まで発育させることが比較的容易な鳥類・両生類において、造血発生研究は大きな進歩を遂げた。しかしほ乳類では、着床後の胎仔を取り出した後成体まで発育させることが困難なため、造血発生研究、特に卵黄嚢造血の解析が遅れている。そこで我々は、卵黄嚢(YS)における造血発生を明らかにする目的で、血流開始前のマウス胎仔でgraft YSとhost YSとのキメラを作製後、全胚胎仔培養法にて培養し、graft YS由来細胞からのB細胞の発生について検討した。 (方法)血流開始前のE8.25で、C57BL/6マウスの胎仔を母胎より分離した。graft YSには、Ly5.1マウス、、グリーンマウスを使用し、血島をすべて含むようにgraft YSを分離した。graft YSを顕微鏡下でhost YSへ植え込み、E11.0まで全胚胎仔培養装置で培養した。graft YSが生着したか否かは血流の有無で判定した。培養後40体節以上のものを選択し、graft YS由来の細胞が、血流中にどの程度存在しているかをフローサイトメトリーにより解析した。また、キメラ胎仔のAGM領域を分離し、OP9細胞との共培養系を用いて、graft YS由来のB細胞の出現を検討した。 (結果と考察)作製したキメラのうち、約半数に血流が認められ、それらの血流中にはgraft YS由来の細胞が12.5%存在した。キメラ胎仔のAGM領域より分離された細胞をOP9細胞との共培養すると、B220+/CD19+B細胞が出現し、Ly5.1マウスキメラ、グリーンマウスキメラ、いずれにおいても、半数でgraft YS由来のB細胞が検出された。以上の結果より、血流開始前のYSにも、B細胞に分化する能力をもった細胞が存在し、これらの細胞は確立された血流を介して胎仔内に移動することが示された。本システムによりマウス卵黄嚢造血を経時的に観察することが可能となった。本システムを用いることにより、マウスにおいても造血幹細胞を含めた造血発生のより詳細な解析が期待される。
|