研究課題/領域番号 |
12036223
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
辻村 亨 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (20227408)
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研究分担者 |
寺田 信行 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (50150339)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2000年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | oval細胞 / c-kitレセプターチロシンキナーゼ / 骨髄移植 / 造血幹細胞 / 肝再生 / 肝幹細胞 / Ws / Wsラット |
研究概要 |
肝臓の再生には成熟した肝細胞が分裂・増殖する場合と肝臓の幹細胞が分裂・増殖する場合がある。ラットに2-acetylaminofluoreneを投与して部分肝切除を行なうと(AAF/PH model)、oval細胞がグリソン鞘周囲に出現する。このようなoval細胞は肝細胞と胆管上皮細胞に分化できることから肝臓の幹細胞由来と考えられており、肝細胞の分裂・増殖が障害されたような状況下では肝細胞の代わりに肝再生を担う。最近、我々はoval細胞には造血幹細胞の場合と同じようにc-kit receptor tyrosine kinase(KIT)が発現することを示し、KITの機能が喪失するWs/Wsラットではoval細胞の発生が有意に抑制されることを見い出した。KITを介したシグナル伝達は肝臓の幹細胞の維持あるいは幹細胞からoval細胞への分化に重要な役割を果たしていると考えられる。一方、Ws/Ws雌ラットに+/+雄ラットの骨髄細胞を移植した後にAAF/PHを施行すると、+/+ラットの場合と同じようにoval細胞がグリソン鞘周囲に数多く出現した。また、Y染色体に存在するsry遺伝子をプローブにしてFISH法に行うと、oval細胞にsry遺伝子のシグナルが検出され、このoval細胞は移植した+/+雄ラットの骨髄細胞由来であることがわかった。以上の結果より、肝細胞や肝臓の幹細胞が分裂・増殖して肝再生する経路がともに傷害されたような状況下では、造血幹細胞がoval細胞を経て肝細胞へ分化し、肝細胞や肝臓の幹細胞に代わって肝再生を担う可能性が示唆された。
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