研究概要 |
1)シロイヌナズナから3種類の新規センサーキナーゼ遺伝子を分離して一次構造を確定し、これら遺伝子をAHK2,3,4(AHK=Arabidopsis histidine kinase)と名付けた。AHK遺伝子群は相互に高い相同性を示す遺伝子ファミリーを形成している。またAHK遺伝子群の発現を調べたところ、AHK4が根組織で特異的に発現していることがわかった。 2)AHK4遺伝子にT-DNAが挿入された変異株を同定した。AHK4の発現が根組織特異的であることに注目した解析から、この変異株が植物ホルモンの一つであるサイトカイニンに対して非感受性を示すことを明らかにした。AHK4遺伝子を出芽酵母のセンサーキナーゼ変異株に導入したところ、各種サイトカイニン(BA,Kinetin,t-Zeatin)に依存的な生育を示し、AHK4がサイトカイニンの直接の受容体であり、リガンドとの結合がヒスチジンキナーゼ活性を正に制御することを明らかにした。。 3)TCP10はTCP1などと同様に、側生器官の分化成長に直接関与すると考えられているトウモロコシのT〓1やキンギョソウのCYCと同じ構造を持つサブファミリーに属しており、機能的に重要であると考えられる。このサブファミリーに属するTCP遺伝子をシロイヌナズナのゲノムからさらに3種見出し、TCP11〜13と名付け、当サブファミリーに属する遺伝子群(TCP1,2,3,5,10,11,12,13)すべてのクローン化を終了でた。
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