本研究では、イネの分枝パターン決定に主要な役割を果たすと考えられるLAX遺伝子および小花梗形成に必須の遺伝子であるFZP(F__-riz__-zy P__-anicle)を単離する。これら遺伝子の解析は、イネ育種のみではなく、植物の形態形成の基礎研究という観点からも重要である。本年度は以下の成果が得られた。 LAX遺伝子の単離 ・lax1-2変異体が分離するF2集団を育成した。 ・169個体の変異体の連鎖解析から、LAX遺伝子が第1染色体長腕部140.2CMと142.2CMの間に存在することが明らかとなった。これらの変異体のうち、140.2CMのマーカーにおいて組み換えが見られるものは9個体、142.2CMのマーカーでは2個体であった。また、141.6CMのマーカーでは組み換え個体は得られなかった。 ・さらに約500個体の突然変異体を用いた連鎖解析を開始した。 ・LAX近傍の遺伝子配列情報をもとに、141.6CM周辺のdCAPSマーカーの作成を進めている。 FZP遺伝子の単離 ・トランスポゾンの挿入により引き起こされたfzp変異体2系統(fzp2-M、fzp2-K)において、ゲノムへの挿入と表現型が完全に連鎖していることを3世代、67個体で確認した。 ・トウモロコシ由来AC挿入個体(fzp2-M)から、Acフランキング配列を単離した。 ・fzp2-K系統ではfzp2-MにおいてAcが挿入されている部位から22bp離れた場所に、LINEタイプのレトロトランスポゾンが挿入されていた。 ・FZP2遺伝子は新規な遺伝子であると予想された。
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