研究課題/領域番号 |
12037212
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
橋本 隆 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (80180826)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2000年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | ねじれ / 表層微小管 / チューブリン / 左右性 / アラビドプシス / 細胞伸長 |
研究概要 |
ねじれ変異株の内皮細胞と表皮細胞の表層微小管の配向を詳細に調べた。野生型の根の表皮細胞では表層微小管は細胞の縦軸に対し直角に配向していたが、右巻きのねじれを示すspr1の根の表皮細胞の表層微小管は左巻きのヘリックスになっており、微小管関連薬剤で引き起こされる左巻きの根や左巻きの変異株(lefty)の根の表皮細胞では表層微小管は右巻きのヘリックスを示した。表現型を強調する低温でspr1根の解析を行ったところ、細胞がまだ伸長中であり、表皮細胞が右に傾く以前に、表皮細胞の表層微小管が平均して約13度傾いた左巻きのヘリックスをとることが明らかとなった。また、ねじれが強く現れるspr1の黄化胚軸上部の内皮細胞は無方向に肥大しているが、これらの細胞の表層微小管は細胞の狭い特定領域では互いに平行な束を形成しているが、細胞全体としては一定の配向を示さなかった。これらの観測結果は表層微小管の配向異常が細胞変形や伸長方向の変化の結果ではなく、原因となっているか、少なくとも同時に起こることを示唆している。 spr1と逆の向きのねじれ(左巻き)を示す不完全優性変異株lefty1(lft1)のα-tubulin6(TUA6)遺伝子にミスセンス変異を見いだした。lft1spr1(左巻きが右巻きに対して優勢なため左巻きを示す)をEMS突然変異処理したM2植物からspr1形質(右巻きのねじれ)を示す個体を複数選抜した。このうちの1株lft1-R1はTUA6にpremature stop codonが導入されたTUA6ヌル変異株であった。従って、lft1変異はdominant negative変異であり、そのヌル変異は野生型の表現型を示す。また、lft1と同様の左巻きねじれを示すlft2はTUA4近傍にマップされ、かつlft2のTUA4はlft1と同一のアミノ酸が置換されているミスセンス変異を持っていた。
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