研究課題/領域番号 |
12037217
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 昭和薬科大学 |
研究代表者 |
中里 朱根 昭和薬科大学, 薬学部, 助手 (20297047)
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研究分担者 |
高橋 宏二 名古屋大学, 情報文化学部, 助手 (40283379)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2000年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 細胞壁の伸展 / 臨界降伏圧(Y) / yieldin / 細胞壁結合性タンパク質 / 細胞壁の力学的性質 / ミトリササゲ / オーキシン |
研究概要 |
Yieldinは、細胞壁が伸びるに必要な最小の力である臨界降伏圧を調節して細胞壁の伸展、ひいては細胞の伸長成長を制御するタンパク質である。2000年に中里(岡本)らによりミトリササゲ細胞壁から単離されたばかりであり、その作用機作はほとんど明らかにされていない。本研究ではミトリササゲ胚軸におけるyieldinのmRNAとタンパク質の分布を検討した。 まずササゲ幼植物の伸長成長とyieldin mRNA蓄積量との関係を明らかにするため、3日齢のササゲ黄化芽生え胚軸をhook(H)、rapidly elongating region(RE)、moderately elongating region(ME)、mature region(M)に分け、各部域におけるyieldin mRNAレベルを調べた。各部域からATA法でtotal RNAを抽出し、yieldin cDNAをプローブとしてノザン解析したところ、yieldin発現量はH部域において最も高く、胚軸の基部にいくに従い減少することが明らかとなった。 また抗yieldin抗体を用いた免疫及び細胞化学的手法を使い、yieldinのタンパク質レベルでの組織・細胞内分布を検討した。その結果、yieldinはHおよびREに多く存在し、MEやMのような伸長成長が停止しかけているか、停止した部域ではほとんど観察されなかった。さらにHとRE部域においてyieldinは皮層細胞壁に局在した。この結果は前述の結果と同じく、yieldinが軸性器官の伸長成長を行っている部域に局在し細胞の伸長が止まるにつれ存在量が減少することを示すとともに、yieldinが伸長成長の律速要因となっている皮層細胞壁において作用していることを示唆する。今後はin situ hybridization法や免疫電子顕微鏡を用いてyieldinの発現パターンや細胞内分布のより詳細な解析を行いたい。
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