研究課題/領域番号 |
12039217
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
人文・社会系
|
研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
風間 伸次郎 東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (50243374)
|
研究期間 (年度) |
2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | 所有構造 / 譲渡可能 / ツングース諸語 / テキスト / コーパス / 口承文芸 / 少数民族 / フィールドワーク |
研究概要 |
・「ツングース諸語における譲渡可能を示す接辞について」 ツングース諸語の所有構造は、一部の例外(ソロン語、満州語、シベ語)を除き、一般に頭部表示型(Head marking)で、所有者を示す名詞には何もつかず、被所有物(もしくは被所有者)を示す名詞に所有者を示す所有人称接辞がつく。N__- N__--所有人称接辞 しかしここでその所有関係が譲渡可能とみなされる場合には、譲渡可能を示す接辞が現れ、次のような構造をとる。N__- N__--譲渡可能-所有人称接辞 本稿では、まず譲渡可能の接辞に関する詳しい先行研究であるBoldyrev(1976)の記述を紹介し、次に筆者が現在若干のテキストコーパスを使用できるウデヘ語(II)、ナーナイ語(III)、ウイルタ語(III)について譲渡可能の接辞が現れている例を調べた。しかるのちその結果とBoldyrev(1976)の記述を比べてその異同を検討しつつ考察を加えた。 ・ツングース言語文化論集15『ナーナイの民話と伝説6』 本書はロシアの少数民族であるナーナイの民話と伝説などの口承文芸を、録音から書き起こして文法的分析及び翻訳を加えたものである。ソ連の1989年度の統計によればナーナイ族の人口は約1万2千人、そのうち母語話者は44.1%の5292人とされているが、その大部分を占めているのは60代以上の(つまり現在は70代以上の)老人であると考えられる。近年相次いで語り手が亡くなり、前著と本著採録のテキストは全て村にただ一人残る「語りべ」であるN.P.Gejker氏によるものだけとなってしまっている。氏も80を越す高齢となっている。したがって本書の記録はきわめて貴重なものということができる。本書に収録したテキストは全部で12で、テキスト3と5を除く10編のテキストは、ジャンルとしてはningmaanで、3と5はsioxorである。
|