研究課題/領域番号 |
12039238
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
人文・社会系
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研究機関 | 麗澤大学 |
研究代表者 |
坂本 比奈子 麗澤大学, 外国語学部, 教授 (20205777)
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研究分担者 |
梅田 博之 麗澤大学, 外国語学部, 教授 (20014459)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
2002年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2001年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2000年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | タイの危機言語 / ムラブリ語 / ムラブリ族 / 黄色い葉の精霊 / ピートーンルアン族 / ムラブリ語テキスト / 北タイ碑文辞典 / ムラブリ語の下位分類 / 北タイ・プレー / 消滅の危機言語 / モン族 / 北タイ碑文 / 少数民族 / 山岳民族 / 言語の消滅 / 言語の保持 / 北タイの諸言語 / 言語接触 |
研究概要 |
現地調査の実施:本科研期間中に、タイ国プレー県ローンクワン郡フワイホム村で面接調査を行い、全住民の戸籍簿を作成し、ムラプリ族の現状、方言の有無、他民族との関係、言語使用状況を把握した。 居住地・人口・方言:現在は自称も公的呼称もムラブリである。プレー県とナーン県に総計約270名、ラオスに20余名いる。プレーとナーンのグループは同一言語であることが確認された。プレーで全住民の名簿を作成し、親族関係、移動状況を把握した。ナーンとプレーの間には親戚関係が多く同一言語グループと認められる。他民族の通婚はまれである。近親婚はない。 言語調査:調査語彙数は、約3000語。語彙の比較からも、ナーンとプレーのムラブリ語の同一性が確認された。現在では方言はないという結論である。昔話や神話は記憶されておらず、テキストの収録が困難である。アメリカの宣教会New Tribal Missionの宣教師が、タイ文字によるムラブリ語表記を作成し、ムラブリ族のために編纂した教科書を現地で入手し、これをすべてムラブリ族に確認し、音声をIPA、音声およびビデオ・テープに記録し、日本語に翻訳した。これは世界初のムラブリ語テキストである。 ムラブリ語とタイ語:子供もムラブリ語を話しているが危機言語である。保育園でタイ語を話すモン族の先生に接し、5-6歳でバイリンガルになる。おとなは北タイ語や標準タイ語が流暢に話せる。コード・スイッチは頻繁である。ムラブリ語、ムラブリ族の研究には北タイ史料の研究が欠かせない。そのために北タイ碑文辞典編纂プロジェクトを開始して、1巻を完成した。 言語保持のために:前記のムラブリ語テキストに英語、タイ語、IPA、索引をつけたものを作成する。音声CD、DVDなどをつけて、ムラブリ族、言語学者に提供することが可能である。早急に、辞典、文法書を出版する予定である。最近の環境の変化は急激で、言語移行が懸念される。
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