研究課題/領域番号 |
12042210
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
荻野 博 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00004292)
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研究分担者 |
岡崎 雅明 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20292203)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2000年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | シリレン錯体 / 遷移状態 / メタラサイクル / 非経験的MO法 / 移動挿入反応 |
研究概要 |
ケイ素と金属の間に二重結合を有するシリレン錯体は、ヒドロシランの脱水素縮合反応あるいは有機ケイ素化合物のケイ素上の置換基の再分配反応等における重要な中間体として考えられ、その反応性には興味が持たれる。本研究では、シリレン錯体の反応性に着目して、理論的および実験的研究を行った。 1.メチル配位子のシリレンケイ素への1,2-転位によるケイ素-炭素結合生成反応 我々はこれまでに、IrH(Me){η^2-Me_2Si(CH_2)_2PPh_2}(PMe_3)_2とH_3SiRとの反応により、ジヒドリド錯体IrH_2{η^2-Me_2Si(CH_2)_2PPh_2}(PMe_3)_2とH_2MeSiRがほぼ定量的に得られることを報告している。種々の実験結果から、ケイ素-炭素結合生成反応は、メチル(シリレン)錯体上でのメチル配位子のシリレンケイ素への1,2転位によることを明らかにした。この転位反応について、非経験的分子軌道計算を行ったところ、その活性化エネルギーは+4,1 kcal/molであることがわかり、これは実験結果とよい一致を示す。 2.ホスファシラメタラサイクルによる小分子の活性化 ケイ素上にリン原子をもつホスフィノシリル鉄錯体Cp^*(CO)_2FeSiMe_2PPh_2を光照射すると、カルボニル配位子の解離および分子内リン原子の配位により、ホスファシラシクロプロパンCp^*(CO)Fe{η^2-Me_2SiPPh_2}(1)が得られた。錯体1のトルエン溶液に(4-ジメチルアミノ)ピリジンを加えると、1のSi-P結合にピリジン環内のN-C結合が挿入した化合物が得られた。ホスファシラシクロプロパンの高い反応性は、3員環による歪みとともに、1にはホスフィド(シリレン)錯体Cp^*(CO)FePPh_2(=SiMe_2)としての性質の寄与があることを示している。
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