研究課題/領域番号 |
12042222
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 名古屋大学 (2001) 東京大学 (2000) |
研究代表者 |
阿波賀 邦夫 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10202772)
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研究分担者 |
藤田 渉 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 助手 (50292719)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2001年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2000年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | クラスター錯体 / 単分子磁石 / 量子効果 / クラスター / 磁性 / Mn12 |
研究概要 |
金属クラスター錯体の化学合成が進歩し、さまざまな系が得られている。その中で磁気的な性質において最も関心を集めているのがMn12核クラスター(以下Mn12と略記)である。このクラスター中には、8個のMn^<3+>(S=2)と4個のMn^<4+>(S=3/2)があり、その間の反強磁性的な相互作用によりS=10の巨大な磁気モーメントが分子上に出現する。ブロッキング温度と呼ばれる温度以下では磁化曲線にあたかも強磁性体のようなヒステリシスループが現れる。 これまでの2年間の研究により、Mn12にはMn^<3+>サイトのヤーン・テラー変形が異なる2種類のヤーン・テラー異性体(SRおよびFR)が存在し、その磁気特性を明らかにすることに成功している。今年度は、Mn12の磁気特性の制御を目指して圧力効果を測定した。Be-Cu高圧セルに、[Mn_<12>O_<12>(CH_3CO_2)_<16>・(H_2O)_4](以下Mn_<12>Acと略記)を封じ、SQUID磁束計によって磁化曲線を測定した。大きなヒステリシスとともに、磁化のトンネル効果に由来すると考えられるステップが等磁場間隔で現れた。圧力によって磁化曲線は系統的に変化し、特にゼロ磁場におけるステップが著しく増加した。この圧力効果がトンネル効果に由来するものかどうかを確定するため、磁化曲線の走引速度依存性を測定したところ、ゼロ磁場のステップにのみ依存性が認められなかった。ゼロ磁場での圧力効果は量子トンネリング効果ではなく、SR分子がFR分子に変化し、この分子がゼロ磁場でのステップをつくったと解釈できる。構造変化に対する直接的な証拠はないものの、圧力によってヤーン・テーラー変形の様相が変化することが示唆された。 量子トンネル効果に対する圧力効果を調べるため、4.5kOe付近のステップの定量的な解析を行った。障壁の高さがほとんど変わらないのにかかわらず、トンネリング速度が3倍近くなった。今後量子磁化トンネリングのメカニズムを確定するうえで、重要な知見が得られた。
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