研究課題/領域番号 |
12042242
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山子 茂 京都大学, 工学研究科, 助教授 (30222368)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2001年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2000年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | ラジカル反応 / 多成分カップリング反応 / テルル / リビングラジカル重合 / 有機合成 / イミドイル化反応 / カルボニル化反応 / イソニトリル / シリルテルリド / 密度汎関数法 |
研究概要 |
本研究では、有機テルル化合物からの可逆的な炭素ラジカル生成法を利用した新しいラジカル反応の開発について検討を行ない、グループ移動型のイミドイル化反応、リビングラジカル重合、連続的なラジカルカップリング反応などの新しい反応を見出した。さらに、反応機構の理解と反応設計を目的として理論計算による反応解析を行った。その概略を示した。 1.グループ移動型のイミドイル化反応の開発 有機テルル化合物とイソニトリルとのラジカル的なイミドイル化反応を検討した結果、グループ移動型のイミドイル化反応を初めて見出し、この反応が極めて高い一般性を持つことを明らかにした。さらに、理論計算による反応解析を行った結果、イミドイル化反応の反応経路をすべて明らかにすると共に、反応の進行が熱力学的要因により支配されていることを明らかにした。 2.リビングラジカル重合系の開発 アルケンをラジカル受容体として用いることにより、有機テルル化合物のグループ移動型反応と生成物における炭素-テルル結合の開裂、アルケンの挿入を繰り返すことでリビングラジカル重合が進行することを明らかにした。本反応は有機テルル化合物を開始剤とする初めての重合系である。生成物のポリマーにおける炭素-テルル結合のラジカル的及びイオン的な変換を用いることで、ポリマー末端に様々な官能基を持つポリマーが効率よく得られることを明らかにした。 3.連続的なラジカルカップリング反応 炭素-炭素結合生成を連続的に行う新しいラジカルカップリング反応の開発を行った。すなわち、シリルテルリドとカルボニル化合物,アルキンとのラジカルカップリング反応の後、生成物のビニル炭素-テルル結合からのスズラジカルを用いたラジカル生成とアルケンとのカップリングにより、立体選択的に三置換アリルアルコール類が合成できることを明らかにした。
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