研究課題/領域番号 |
12042266
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
橋本 健朗 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (40202254)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2001年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2000年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 溶媒和 / ダイナミックス / 原子・分子物理 / ソゾスコピック系 / 計算物理 / アルカリ金属 / 溶媒和電子 / ab initio MP2-MD法 |
研究概要 |
アルカリ金属原子の微視的溶解過程のダイナミックスを、非経験的分子軌道法と古典力学に基づく動力学法を組み合わせたab initio MD法で研究した。Na-(H_2O)_2負イオンで温度(10K)一定のMDを行った後[20ps,40ps]の軌跡から256個以上を無作為抽出して中性用初期条件として用い、中性ではエネルギー一定の古典MDを4ps程度行った。中性でのほとんどの軌跡が、水二量体の一つの水がNa原子負イオンとNa-H結合しているNa…(H_2O)_2型構造から1:1錯体を部分的に持つNaOH_2…H_2O型への構造変化を示した。典型的軌跡での垂直励起エネルギーとイオン化エネルギーは、Na-O結合生成の構造変化、すなわち原子的状態からOと反対側にNaの価電子が押し出された電子状態への変化を反映して、約400fsで両者の急低下とその後のNa-O伸縮振動を反映した約200fs間隔の周期的変化を示す。一方、NaOH_2…H_2Oへの異性化時間は、400fs-600fsが最も多かった。この時間を基にしてNa…(H_2O)_2の生き残り確率から負イオン型構造の半減期を見積もると700fs程度だった。また、Na…(H_2O)_2のNa側の水がNa-O結合を形成する場合は、慣性的ダイナミックスが大きく影響しているが、外側の水がNa-O結合するのは相対的に遅く相対並進速度と明らかな相関がないことも分った。このほか、Li(H_2O)_2での比較計算を行った。新規に研究室にPCクラスターを構築し、既存ワークステーションとネットワーク接続して利用した。MD計算はGaussianを自作プログラムに組み込んで行い、励起エネルギーの計算などはMOLPROで行った。電子状態解析のプログラムは自作した。開発したソフトウェアはさらに大型のクラスターの計算にも適用でき、2中心電子状態生成のダイナミックスヘ展開していく。
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