研究概要 |
平成12年度の研究実績の概要を次に示す. (1)実験環境の整備:本研究の実施にあたり,実験効率を向上させるため,設備備品費により調達した複数台の高性能パーソナルコンピュータをネットワークを介して接続した擬似並列計算システムを構築した.この実験環境により,従来よりも処理速度を大幅に高速化することに成功した. (2)画像処理自動生成手法の確立:画像処理の事例(原画像と目標画像の組)を与えるだけで,その画像処理を既存のフィルタを木構造状に組み上げて自動推定する画像処理自動生成手法(ACTITシステム)を確立した.作成したACTITシステムをさまざまな画像処理に適用し,画像処理の自動化に有効であることを確認した.また,ACTITシステムをさらに発展させ,任意の画像処理の自動生成が実現できるよう拡張を行った.扁平率や凹凸形状,直線性,円など,特に図形形状に着目したフィルタを用いることによって,ACTITシステムの汎用性を大幅に拡張することができた. (3)セル型回路網の自動生成手法の確立:各ユニットが近傍だけに接続された構造をもったセル型回路網(ACNN)を用いて画像処理を実現する基本的な方式を確立した.また,このACNNを上記(2)で述べたACTITシステムに融合させることによって,画像処理自動生成プロセスの処理速度の大幅な高速化を実現するための基礎的検討を行った. (4)本研究の有効性の検討:続いて,ACTITとACNNを融合させて生成した試作システムを実際の画像処理の問題に適用して検討した.実験結果から,本システムが瞬時知的画像処理の自動構築に非常に有効であることを確認した.
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