研究課題/領域番号 |
12045211
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
長谷川 宏司 筑波大学, 応用生物化学系, 教授 (70094167)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2000年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 光屈性 / 光誘導性植物成長抑制物質 / Bruinsma-Hasegawa説 / ラファヌサニン |
研究概要 |
"光屈性"は植物に具備される環境応答反応の代表的な生物機能である。申請者らは、これまで広く信じられてきたCholodny-Went説(オーキシン説、1937年)を覆し、成長抑制物質が光照射によって生成することによって光側組織の成長が抑制され、屈曲するというBruinsma-Hasegawa説(成長抑制物質説、1990年)を提唱してきた。光誘導性成長抑制物質として、これまでraphanusaninやbenzoxazolinone類等を単離・同定し、光屈性を制御する鍵化学物質(光屈性制御物質)としての多くの証拠を植物生理化学の観点から発表してきた。 本研究では光屈性制御物質の構造と機能について分子レベルから解明することを目指し、1.青色光によって植物の茎で生成される光屈性制御物質を様々な植物から単離・同定し、更に2.ダイコン下胚軸の光屈性制御物質であるraphanusaninや4-methylthio-3-butenyl isothiocyanateの生合成の分子機構を遺伝子及び酵素レベルから研究し、以下の新たな知見を得た。 1.単子葉植物・アベナの芽生えから短時間の青色光照射によって光側組織で生成される成長抑制物質を単離し、uridineと同定した。このことは広範な植物に観察される"光屈性"が普遍的な化学物質によって制御される可能性を初めて示唆するものである。 2.ダイコンの光屈性において、光屈性刺激光側細胞のミロシナーゼ遺伝子発現を誘導し、生成された酵素ミロシナーゼによって不活性型のglucosinolateから活性型の4-methylthio-3-butenyl isothiocyanateやraphanusaninが生成され、光側細胞の伸長が抑制され、光方向に屈曲することが明らかになった。
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