研究課題/領域番号 |
12045217
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
唐木 英明 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (60011912)
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研究分担者 |
堀 正敏 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (70211547)
尾崎 博 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (30134505)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2000年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | アクチン / 重合阻害 / IHRP / ペクテノトキシン-2 |
研究概要 |
本年度は、アクチン脱重合阻害物質ということで、1995年にMiuraらによって発見された急性期蛋白質IHRPと新規天然生理活性物質ペクテノトキシン-2のアクチン重合阻害作用について検討した。 1.IHRP 予備段階での試験でIHRPはアクチンと結合することを見出していいたが、アクチン重合に対して何らかの影響を持つ可能性を推定し、実験を行った。ウサギ骨格筋から精製したアクチン標品をpyrene化した後に実験に供した。アクチン濃度を1,2,2.7μMと上昇させるとアクチンの重合速度は増加したが、ここに2μMのIHRPを共存させるとアクチン重合を明らかに阻害した。IHRPは血漿中に見出される蛋白質でありアクチン重合阻害作用を持つことにどの様な生理的意義があるかは現時点では不明である。ただし、リンパ球なの細胞ではアクチン繊維が細胞外に突出していることが報告されており、このアクチン繊維の長さの調節因子として機能しているのかもしれない。もう1つの可能性として、破壊された細胞から遊出するアクチンの分解と隔離ということも考えられる。 2.ペクテノトキシン-2(PCTX-2) PCTX-2は、ラット大動脈における72.7mM KClおよび1μMフェニレフリン収縮を濃度依存性に抑制した。さらに、血管平滑筋由来のA10細胞を用いて、PCTX-2の細胞形態への影響を検討したところ、PCTX-2は細胞形態には大きな変化を与えなかったが、ローダミン・ファロイジン染色によりアクチンを主成分とするストレスファイバー形成を抑制することが示唆された。さらに、PCTX-2は、ピレン蛍光ラベルしたG-アクチンの重合に伴う蛍光強度増強速度とその最大蛍光を濃度依存性に抑制した。また、PCTX-2は濃度依存性にF-アクチンの粘稠度を低下させた。 なお、研究発表欄にはアクチンに関する基本的性質を検討した論文も掲載した。
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