研究課題/領域番号 |
12045219
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
金井 求 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 講師 (20243264)
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研究分担者 |
大嶋 孝志 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (10313123)
柴崎 正勝 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (30112767)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2000年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 細胞内情報伝達 / 医薬リード化合物 / プロテインキナーゼC / デカーシン / 触媒的不斉エポキシ化 / 触媒的不斉全合成 / ガルスベリンA / アルツハイマー病 |
研究概要 |
我々は、独自に開発した触媒的不斉反応を鍵工程として医薬リード化合物を効率的に合成し、これらの化合物をツールとして生物機能解明にアプローチするというスタンスで研究を行っている。本年度は反応性の高いエノンのエポキシ化触媒を開発し、単純な構造で比較的強いプロテインキナーゼC(PKC)活性化能を有するDecursinの全合成を達成した。当研究室はすでにランタノイド-BINOL錯体を用いた一般性の高いエノンの触媒的不斉エポキシ化反応を開発していた。しかし、本触媒ではDecursin合成の基質となる反応性の低いエノン1に対しては満足の行く結果を得ることができなかった。それに対してランタン-BINOL-Ph_3As=O=1:1:1の錯体を触媒とする新規反応系では、室温5時間で収率90%,93%eeのエポキシケトン2を得るこができた。X線結晶構造解析等の分光学的手法を用いて本触媒反応機構を提唱した。エポキシドを還元的に開環の後、Pd触媒を用いるカップリング反応により短工程、高収率でDecursinを触媒的不斉合成することができた。今後、フォトアフィニティーラベリング等の手法を用いて、活性発現機構の解明に取り組んでいく予定である。 また、高活性を有するアルデヒドのシアノシリル化触媒4をルイス酸-ルイス塩基複合多点制御概念から設計、合成した。本触媒は糖を基本骨格としており、ルイス酸アルミニウムによるアルデヒドの活性化とルイス塩基ホスフィンオキシドによるTMSCNの活性化を同時に位置を定めて行うことにより反応促進、立体制御をおこなう。本反応を鍵工程として、コリンアセチルトランスフェラーゼ(ChAT)誘導能を有しアルツハイマー病の治療薬として期待されるGarsubellin Aの合成研究をおこなっている。現在までのところ8位プレニル基を有さないモデル化合物において、18位2級アルコールの立体化学を最高87:13の選択性で制御できることが分っている。今後ビシクロ環の構築を行っていく予定である。
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