研究課題/領域番号 |
12045239
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
加藤 伸郎 京都大学, 医学研究科, 助教授 (10152729)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | シナプス可塑性 / カルシウム / シナプス増強 / シナプス抑圧 / イオン交換 / ゲルろ過 / 神経再生 / シナプス伝達 |
研究概要 |
幼弱脳は可塑性に富んでおり、それを支える未知の物質を多量に含んでいると考えられる。ブタ胎児の脳から、神経回路網を形成したり改変したりすることを促す因子を探索して単離し、これが他の哺乳類において働くかどうかを確かめることが本研究の目的である。さて、神経組織の再構築にあたっては、単に神経が伸長するだけでは不十分である。神経細胞同士の連結(シナプス)を形成しなければならないし、またこのシナプスでの神経細胞間の電気的シグナルの伝達効率が活動依存的に変更されなければならない。つまり可塑性(伝達効率の可変性)が高く保たれねばならない。一般に幼弱脳では成熟脳に比べて、この可塑性が高いとされており、それを支えるための物質的背景があると考えられる。可塑性の高い時期は感受期と呼ばれる。この幼弱期のうちの一時期(感受期)の脳に多く含まれていて成熟脳では減少するような生理活性物質で、シナプスの可塑性を高めるようなものをブタ胎児脳から分離することを試みた。ブタ胎児脳から得た試料を、まずゲル濾過により50を超える分画に分離した。ついで、最も収量の多かった分画をさらにDEAEによるイオン交換法によって亜分画化した。これらの亜分画をスクリーニングにかけた。スクリーニングシステムは、神経活動に依存した細胞内カルシウム増加を指標とするもので、この指標がシナプス可塑性と良く相関していることは報告済みである。いままでに、カルシウム増加を減弱させるような分画のあることがわかった。これはシナプス増強の逆過程であるシナプス抑圧と関連している可能性がある。
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