研究課題/領域番号 |
12045240
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
永岡 真 京都大学, 化学研究所, 助手 (60314275)
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研究分担者 |
杉浦 幸雄 京都大学, 化学研究所, 教授 (40025698)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2000年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 亜鉛フィンガー / 遺伝子発現制御 / DNA湾曲 |
研究概要 |
【亜鉛フィンガー数の拡張による長鎖DNA配列の認識とDNA湾曲の誘起】 3つの亜鉛フィンガーを有するヒト転写因子Splを用い、その亜鉛フィンガーの数を6から9に拡張してより長いDNA配列の認識を試みたところ、亜鉛フィンガーのフィンガー数の増減により認識配列の拡張が容易に行え、亜鉛フィンガーが人工リプレッサーの基本構造となりうることが示された。 遺伝子の転写過程での転写開始複合体の形成に不可欠であるDNA湾曲に着目し、Spl亜鉛フィンガーをつなぐリンカーの長さを適当に調節し、1分子のSplを離れた2ヶ所でDNAに結合させることにより、DNA湾曲の人為的誘発を試みた。その結果、リンカーをグリシン7残基とした場合、最も大きなDNA湾曲を誘発した。このような亜鉛フィンガーによるDNA認識・DNA湾曲を基礎にした遺伝子発現制御分子の創製は、近い将来、遺伝子に関わる疾病などに対して、多大な貢献をする期待が持たれる。 【新規金属フィンガーのデザイン】 亜鉛フィンガー型転写因子のDNA結合の制御もまた、遺伝子発現制御の1つの標的となりうる。例えば亜鉛の代わりに酸化還元の起こりやすい銅が結合した銅フィンガーをDNAに結合させることができれば、酸化還元によりDNAへの結合を制御することが可能となる。そこで、亜鉛フィンガーの2つのシステイン残基と2つのヒスチジン残基とをすべてヒスチジン残基に置換し、タンパク質に対する酸化還元の影響を排除したH_4Splを構築した。その結果、H_4Splの亜鉛結合体は標的DNA配列に野生型と同様の結合様式を示した。これを基にすることにより、酸化還元型転写因子という新たな遺伝子制御分子の構築が可能となる期待が持たれる。
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