研究課題/領域番号 |
12045260
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
梅沢 一夫 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70114402)
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研究分担者 |
池田 洋子 (財)微生物化学研究所, 薬化学研究部, 主任研究員 (60159639)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2000年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | アポトーシス / 抗癌剤 / 放線菌 / 植物 / スクリーニング / 生合成 / 膵腺癌細胞 |
研究概要 |
ヒト固形癌細胞のアポトーシス耐性に注目し、耐性細胞に直接アポトーシスを誘導する物質、およびアポトーシス耐性を誘導するシグナル伝達の阻害物質を微生物、植物の二次代謝産物および誘導体から探索した。 1. 放線菌由来の新規シクロペプチド化合物のスクリーニングと生物活性 著しくアポトーシス感受性が低いAsPC-1細胞に対してアポトーシスを誘導するような低分子化合物を微生物二次代謝産物より探索した。その結果、放線菌から3つの新規化合物、polyoxypeptin A、Bおよびchloptosinが単離された。polyoxypeptin Aは、アドリアマイシン30μg/mLでもまったくアポトーシスを起こさないAsPC-1細胞に対し、低濃度で短時間に細胞死を誘導した。polyoxypeptin Bもほとんど同じ効果を示した。chloptosinはpolyoxypeptinより高い濃度でAsPC-1細胞にアポトーシスを誘導した。次にpolyoxypeptin Aの放線菌における生合成経路を^<13>Cおよび^<15>Nでラベルされたアミノ酸やカルボン酸の取り込みとNMR解析により調べた。新規アミノ酸である3-hydroxy-3-methylprolineの骨格は、プロリンおよびメチオニンからではなく、イソロイシンから作られることがわかった。 2. NF-κB活性化阻害剤の分子設計と合成 アポトーシス耐性を克服するもうひとつの方法はアポトーシス耐性を誘導するシグナル伝達を特異的に阻害し、感受性を向上させることである。耐性因子の中からNF-κBをとりあげ、阻害物質を探索した。抗生物質epoxyquinomicinは、NF-κB活性を阻害するpanepoxydoneと同様epoxydone骨格を持つが、TNF-αに誘導されるNF-κB活性化を阻害しなかった。しかし、panepoxydoneに関連させて分子設計したDHM2EQを合成したところ、阻害作用を示した。Jurkat細胞においてTNF-αはアポトーシスを誘導しないが、DHM2EQ存在下ではアポトーシスを誘導した。
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