研究課題/領域番号 |
12046213
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
常次 宏一 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (80197748)
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研究分担者 |
求 幸年 筑波大学, 物質工学系, 助手 (40323274)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 強相関電子系 / 多バンドハバード模型 / 幾何学的フラストレーション / 軌道磁性 / 遷移金属酸化物 / 量子反強磁性体 / フラストレーション |
研究概要 |
幾何学的にフラストレートした構造をもつ3次元パイロクロア格子上の強相関電子系の磁気的性質、および相互作用する電荷自由度の性質を解析的、数値的アプローチによって研究した。幾何学的フラストレーションと同時に重要な軌道自由度を取り入れるため、d軌道のt2g多重項に対応する3つの軌道をもつハバード模型を3次元パイロクロア格子上で考察し、強相関効果を原子内クーロン相互作用についての摂動展開によって調べた。 3つの軌道の間の相互作用は、同一軌道内クーロン相互作用、異なる軌道間クーロン相互作用、フント結合、電子対ホッピングの全てを考慮し、パイロクロア格子で現れる、12本の1電子バンドの全てを取り入れて、2次の自己エネルギー補正を計算した。自己エネルギーの波数依存性を無視した局所近似を行った範囲では、自己エネルギーのエネルギー依存性から計算した化学ポテンシャルの繰り込みから判断すると、電子間相互作用の強さが典型的な物質バナジウムスピネルの場合の50%程度まで、このアプロ-チが有効であることを示している。 一方、同じく自己エネルギーのエネルギー依存性から有効質量を計算した。その結果は、電子間相互作用による有効質量の増大因子は、実験値に比べてかなり小さく、バナジウムスビネルで観測された巨大な電子有効質量には、同一原子内のみならず、原子間の電子相関の波数依存性を取り入れることが重要であることが分かった、 波数依存性を取り入れた計算への拡張は現在実行中である。
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