研究課題/領域番号 |
12046252
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
伊賀 文俊 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教授 (60192473)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 軌道秩序 / 酸化物 / 強磁性 / 二相分離 / 圧力誘起金属非金属転移 / 偏極中性子回折 / 構造相転移 / 共鳴X線散乱 / 単結晶 / 逆モット絶縁体 / 電気抵抗 / 圧力 |
研究概要 |
ペロブスカイ型酸化物Y_<1-x>Ca_xTiO_3は0≦x≦0.15では強磁性半導体、0.15≦x≦0.37では常磁性半導体、0.37≦x≦0.4にかけて低温で金属の金属非金属転移を起こし(逆モット転移)、0.4≦xでは全温度領域で金属となる。x=1のYTi0_3は反強的軌道秩序を形成することが知られているが、Ca置換により上記のような物性変化を示す時に、軌道秩序がどのように変化し、物性に影響を与えるのかを共鳴X散乱、偏極中性子回折法により調べ、また圧力効果も調べた。 1.軌道秩序:共鳴X線散乱と構造解析の結果から、x=0.4近傍の金属非金属転移前後で構造の大きな変化があること、軌道秩序自身はx=0.15前後で消えてしまうらしいこと等が分かってきた。 2.高分解能放射光源X線回折:SPring-8でx=0.4近傍の粉末試料の精密構造解析の結果、いずれも200K前後で室温の斜方晶から単斜晶へと変化することを発見したが、この温度では金属非金属転移を起こさない。更に低温の150K近傍で、単斜晶に新たに斜方晶が混じってくる。この斜方晶が現れる二相分離の温度がちょうど金属非金属転移の温度と一致した。 3.更に圧力下で電気抵抗を測定、圧力下でもX線構造解析を行った。圧力とともに二相分離の始まる温度と電気抵抗での金属非金属を起こす温度とが完全に一致し、増大していくことがわかった。このことから、金属非金属転移の原因は二相分離にあり、低温で現れる斜方晶が金属相であることも突き止められた。これらの結果は投稿中である。
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