研究課題/領域番号 |
12047230
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
鈴木 英之 東京理科大学, 理工学部・物理学科, 助教授 (90211987)
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研究分担者 |
住吉 光介 沼津工業高等専門学校, 教養科物理, 助教授 (30280720)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 超新星ニュートリノ / 超新星爆発 / 重元素合成 / r-process / ニュートリノ振動 / 原始中性子星 |
研究概要 |
Shen等による有限温度高密度物質の新しい状態方程式を使い、重力崩壊型超新星爆発をおこす重い星のコアの一般相対論的球対称断熱重力崩壊のシミュレーションと、中心に形成される原始中性子星の準静的進化のシミュレーションを行なった。断熱崩壊のシミュレーションでは、従来のLattimer and Swestyの状態方程式を使用した場合に対してコアの組成分布が異なること、軽いコアでしか(断熱的)prompt explosionは起こり得ないことなどが確認できた。また、この断熱prompt explosionによって吹き飛ばされる物質中でr過程重元素合成が進行し、prompt explosionが重元素(特に質量数>100)の起源たり得、比較的軽い重元素を作りやすい原始中性子星周りのニュートリノ風と相補的な関係にあることを見出した。 一方、原始中性子星の準静的進化に関しては、従来からのMultigroup Flux Limited Diffusion schemeによるニュートリノ輸送コードの核子制動輻射過程の近似の整合性を高め、状態方程式、レプトンやエントロピーの初期分布を変えて、放出されるニュートリノバーストの平均エネルギーなどを調べた。超新星1987Aで観測された電子型反ニュートリノの平均エネルギーが非電子型ニュートリノの平均エネルギーの理論値よりも低く、ニュートリノ振動モデルに制限がつくと言う指摘があるのに対して、我々の計算は、超新星ニュートリノの後半にしか対応していないので、限定的なことしか言えないが、非電子型ニュートリノの平均エネルギーが観測値と矛盾することはない。さらにシミュレーション結果と観測データを詳しく比較できるようにするため、星の外層を伝播する際のニュートリノ振動を数値的に追うコードも開発し、いろいろな振動パラメーターに対するエネルギースペクトルの変形を調べているが、我々のモデルではもともと放出される非電子型ニュートリノの平均エネルギーがあまり高くないため、劇的な変形は見られない。重力崩壊開始からの一貫した数値シミュレーションは、テスト計算を始めたところであり、今後の課題である。
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