研究課題/領域番号 |
12048211
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
河内 啓二 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (60143400)
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研究分担者 |
稲田 喜信 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (60302791)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2000年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | 昆虫 / 飛行制御 / 視覚情報 / はばたき運動 / 時間遅れ / はばたき翼 / 微小脳 / 非対称翼運動 / マルハナバチ / 計算機シミュレーション |
研究概要 |
昆虫の飛行制御システムについて、年間を通して手に入れやすくかつ飛翔特性に優れた西洋オオマルハナバチを用いて調べた結果、以下の成果を得た。 1 マルハナバチの体を固定して自由に羽ばたかせ(テザート飛行状態)高速度ビデオによって飛行メカニズムを近接撮影し、さらに飛翔筋の筋電位と同時計測を行った。その結果、翼運動と筋電位の対応が明らかになった。 2 マルハナバチの視覚に縞模様による種々の運動パターンを入力する光刺激装置をフォトダイオードを用いて作り、光刺激に対する翼運動の変化を同定した。光縞の上下移動速度のステップ入力と周波数入力に対する翼運動の振幅の応答を計測し、視覚情報に対する羽ばたき振幅の伝達関数を明らかにした。 3 マルハナバチの非線形6自由度の羽ばたき飛行運動方程式を導き、計算機シミュレーションモデルを完成し、実験結果と比較検討した。その結果、実験結果を説明するには、非定常翼理論より得られる大きな揚力係数が必要なこと、神経ネットワークの情報伝達や情報処理の時間遅れが、飛行の安定限界に大きく影響することがわかった。 4 以上の結果、視覚のステップ入力に対する翼運動の応答は、約0.1秒の時間遅れを持っていること、しかし適当な範囲の周波数応答は、光縞の位置情報に対してほとんど時間遅れ無く反応することが明らかになった。この結果より、マルハナバチは速度情報を利用して、位置制御の時間遅れを短縮する制御系を持っていることが示唆された。
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