研究課題/領域番号 |
12050231
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
住本 英樹 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (30179303)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
2001年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
2000年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | シグナル伝達 / 脳神経疾患 / 神経科学 / ミクログリア / NADPHオキシダーゼ / 活性酸素 / アミロイドペプチドAβ / fMLP / シトクロムb_<558> |
研究概要 |
本研究では、「ミクログリアによる活性酸素生成」における食細胞NADPHオキシダーゼの役割について検討した。ミクログリアは、オキシダーゼ構成成分であるシトクロムb_<558>及びp47^<phox>とp67^<phox>を豊富に発現していること、アミロイドペプチドAβ(25-35)および細菌由来ホルミルペプチドfMLPが濃度依存性にミクログリアによるスーパーオキシド(O_2^-)生成を強力に誘導すること、このO_2^-生成はオキシダー阻害剤DPlにより著明に抑制されること、等を見いだした。以上の知見はミクログリアに食細胞NADPHオキシダーゼ系が存在し、この系によって刺激依存性にO_2^-が生成されうることを意味する。更に、Aβ(25-35)およびfMLP刺激によるO_2^-生成には、Pl3キナーゼが関与することを見いだした。Pl3キナーゼは、phosphoinositidesの代謝において重要な酵素であるが、そのNADPHオキシダーゼ活性化における役割は明らかではなかった。私共は、オキシダーゼ活性化に関与する2つの蛋白質(p47^<phox>とp40^<phox>)分子内に新規なドメインを見い出し、それを基に以下のような研究を展開した。p47^<phox>N末領域に新規ドメインを同定し(PB2/PXと命名)、PXドメインがリン脂質結合能(Pl(3)P, Pl(3,4)P2等のphosphoinositidesに特異的)をもち、細胞刺激時のp47^<phox>の膜移行とオキシダーゼ活性化に必須であることを明らかにした。このように、p47^<phox>が膜移行してオキシダーゼを活性化するためには「SH3を介したp22^<phox>(膜蛋白質:b_<558>の小サブユニット)との結合」に加えて「PXドメインによる膜リン脂質との結合」も必要なわけである。またp47^<phox>のPB2/PXドメインの3次構造決定にも成功した。
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