研究課題/領域番号 |
12051207
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
中島 裕史 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (00322024)
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研究分担者 |
岩本 逸夫 千葉大学, 医学部, 助教授 (10111436)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2000年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | Stat5a / Th2細胞 / IL-5 / 組織好酸球浸潤 / アレルギー性炎症 / レトロウイルス |
研究概要 |
アレルギー性疾患の発症には免疫機構の異常、とくにIL-4とIL-5を産生するCD4陽性T細胞(Th2細胞)の選択的活性化が強く関与している。我々は、IL-2をはじめ多くのサイトカインにより活性化されるSignal transducers and activators of transcription 5a(Stat5a)の遺伝子欠損マウスではアレルギー性炎症における組織好酸球浸潤が著明に低下していること、そしてその原因として、Stat5a欠損マウスでは、IL-5をはじめとするTh2サイトカインの産生障害とIL-5に対する好酸球造血の障害が認められることを示した(Blood 95:1370,2000)。さらに我々は、T細胞分化におけるStat5aの役割を単細胞レベルで解析し、Stat5a欠損T細胞ではTh2細胞への分化が障害され、逆にTh1細胞への分化は亢進していること、そしてTh2細胞の分化障害は外因性のIL-4の存在下でも認められることを明らかにした。またCFSEラベル法を用いて細胞分裂回数とT細胞分化との相関について検討し、いずれの細胞分画においてもStat5a欠損マウスでTh1細胞優位の分化を示すことを明らかにした。そしてStat5a欠損T細胞にレトロウイルスを用いてStat5aを発現させるとTh2細胞の分化障害が解除されること、さらに興味深いことにStat5a欠損T細胞におけるTh2細胞の分化障害は、レトロウイルスを用いてStat5bを発現させても解除されることを示した(Blood in press)。すなわちTh2細胞分化におけるStat5aの役割は、Stat5aに固有のものではなくStat5bと共有の役割であることが明らかとなった。今後は、Th2細胞分化におけるStat5の下流分子を明らかにしていきたい。
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