研究課題/領域番号 |
12051211
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山梨 裕司 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (40202387)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2000年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | Dok / Dok-2 / rasGAP / B細胞受容体 / チロシンキナーゼ / FcγRIIB |
研究概要 |
免疫シグナル伝達に必須のチロシンキナーゼは、受容体分子の細胞内領域やLAT、BLNK等のドッキング蛋白質をリン酸化することでSH2やPTBを持つ分子をリクルートする。研究代表者らが発見したDokは、様々な免疫シグナル伝達系でチロシンリン酸化され、rasGAPと会合するドッキング蛋白質である。前年度までの研究から、我々はDokがB細胞の増殖とMAPキナーゼに抑制性のシグナル分子であることを発見した。そこで、本年度はDokの作用機序の解析と、Dokファミリーの蛋白質であるDok-2のノックアウトマウスの樹立と解析を実行し、以下の知見を得た。 1.Dok類縁のIRS-1は、PTBドメインを介してその制御因子であるインスリン受容体と連絡する。そこで、Dok PTBドメインの標的配列をペプチドライブラリーを用いて検討し、Y/MxxNxLpYが至適な標的配列であることを突き止めた。最近、抑制性の受容体であるFcγRIIBと結合したSHIPがDokをリクルートすると報告されたが、実際、SHIP上のC-端に近いチロシンリン酸化部位周辺の配列はこの至適配列と一致した。現在、この配列とDok PTBとの会合について検討している。また、Dok下流の分子に関しては、Dokと会合する約100kDの蛋白質を精製したが、質量分析結果、未知の分子であることが分かり、現在、この分子の同定を進めている。 2.Dok-2ノックアウトマウスは計画通り本年度初頭に誕生した。少なくとも、生後7ヶ月までは見かけ上は異常なく成長した。また、Dok/Dok-2二重欠損マウスに関しても、生後6ヶ月までは見かけ上は異常なく成長した。両者とも、8週齢での血液細胞の構成にも異常は認められなかったが、6ヶ月齢ノックアウトマウスにはリンパ組織の過形成が多く認められた。現在、この過形成の成因についてより詳しい解析を進めている。
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