研究概要 |
#1 IL-4/CD40刺激後にKuが核内に移行する機構の解析 今回の検討からKu70/80のチロシン残基がリン酸化されることが判明した。細胞質と核で比較すると、Kuのチロシンリン酸化の程度は細胞質内の方がより強いらしい。チロシンリン酸化が核内移行に関係しているかを検討するため、まずチロシンリン酸化部位の同定を試みている。Ku70,Ku80をCNBrで切断後、抗リン酸化チロシンブロットを行ったところ、Ku70,Ku80共1フラグメントのみがチロシンリン酸化バンドとして認められている。現在、他の消化酵素を用いTOF-MSにてリン酸化部位を同定中である。 #2 KuのCD23遺伝子発現調節機構の解析 KuはCD23のエンハンサー領域に結合する。IL-4R/CD40の共刺激によって核内に誘導されたKuによるCD23の発現調節を検討するため、CD23のプロモーター領域とCD23のエンハンサー領域を組み入れたルシフェラーゼベクターをB細胞株に遺伝子導入し、レポーター遺伝子アッセイを行った。細胞株やプロモーターの構成によって、IL-4R/CD40刺激後にエンハンサー活性が増強する場合と減弱する場合がありさらに詳しく解析している。 #3 B細胞分化段階におけるKuの局在 成熟B細胞ではKuの大半は細胞質内に局在する。ProBII,PreBII,成熟B細胞においてのKuの局在を細胞株を用いて検討したところ、細胞質内Ku/核内Ku発現量比はProB>PreB>matureBの順であった。 #4 CD40と会合するKu70/80の部位、Kuと会合する分子の解析 Ku70/80のいずれがCD40と会合するのかを明らかにし、結合部位を同定するため、Ku70を7〜8つの部分に分けてGSTとの融合タンパクを作成した。Kuと会合する分子に関しては複数のホモログを用意して、会合に必須のモチーフを検討している。
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