研究課題/領域番号 |
12051221
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
稲葉 カヨ 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (00115792)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2000年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 樹状細胞 / 細胞分化 / 抗原提示 / ケモカインレセプター / ケモカイン |
研究概要 |
樹状細胞はその表現型から、リンパ球系とミエロイド系の大きく2つの分化経路に由来し、生体内に広く分布して異物の侵入に対して監視細胞として働き、免疫応答を誘導すると考えられている。そこで、本研究では、骨髄由来樹状細胞を対照として生体内のリンパ系ならびに非リンパ系の組織から調製される樹状細胞につき、その性状と移動に関するケモカインレセプターの発現を検討した。 骨髄由来樹状細胞においては、これまで報告されているように、成熟に伴ってCXCR4やCCR7の発現が誘導され、それに対応するケモカインに対する走化性が認められた。これに対して、熟樹過程の状細胞には成熟樹状細胞に比べて遙かに多くのCCR1,CCR5に加えてCCR6の発現が検出された。これらの結果は、骨髄細胞の培養によって誘導される樹状細胞は、単に単球系だけでなくランゲルハンス系樹状細胞をも含み、成熟過程の樹状細胞はそれぞれの組織に対応した移動能をもちうろことを示唆している。また、未熟樹状さお防にはCXCR3の発現も認められたことから、直接血流からリンパ器官T細胞領域へと移動できる可能性を示している。 一方、生体内の樹状細胞は、そのCD8あるいはCD1lbの発現程度により大きく2つのサブセットに分類されるが、その内脾T領域に存在するCD8^<high> CD1lb^<low>の所謂リンパ系樹状細胞にはCXCR3の発現が認められるたが、CD8-樹状細胞にはCXCR3の発現は検出されなかった。したがって、CD8^+樹状細胞は中心動脈から直接T領域へと移行したものと考えられる。また、肝由来樹状細胞もリンパ系器官同様2つのサブセットからなると同時に、ケモカインレセプターの発現に関してもリンパ系器官と同様の結果が得られた。また、接触皮膚応答の誘導に際してのランゲルハンス細胞のT領域への移動についでは、SLCとELCの作用が段階的に及ぼされることが明らかになった。
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