研究課題/領域番号 |
12051227
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
緒方 正人 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60224094)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2000年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | チロシンホスファターゼ / MAPキナーゼ / リンパ球 / リン酸化 / 脱リン酸化 / ERK / p38 |
研究概要 |
異物の浸入に対して活性化される免疫反応は、生体防御に必要な一方、過剰反応は、様々な免疫病を引き起こす。従って、免疫シグナル伝達系の負の制御機構は極めて重要である。リンパ球に選択的に発現するチロシン脱リン酸化酵素(PTP)、LC-PTPによるMAPキナーゼ(MAPK)抑制機構について以下のを検討を行った。 1)MAPKに対する特異性の検討:LC-PTPは、ERK、p38と結合し、これを抑制したが、JNKには、結合も抑制もしなかった。 2)LC-PTPの発現調節機構の検討:初代マウスTリンパ球のTCR刺激後に、LC-PTPはタンパク、mRNAレベルで増加を認めた。 3)LC-PTPのリン酸化機構の検討:初代マウスTリンパ球のTCR刺激後に、LC-PTPがERK依存的にリン酸化された。LC-PTPのThr66とSer93をAlaに置換すると殆どリン酸化は認めず、主要リン酸化部位と考えられた。この変異型LC-PTPはERK抑制作用が減弱することから、リン酸化に調節的な意義があると考えられた。 4)LC-PTP発現細胞の検討:MAPKがリンパ球分化の制御に重要なことから、リンパ球の分化に伴うLC-PTPの発現レベルの変化を検討した。胸線では、CD4^-CD8-細胞から、CD4^+またはCD8^+細胞に至る全てでLC-PTPの発現を認めたが、CD4^-CD8^-の発現レベルが最も高かった。 5)sem型p38MAPKノックインマウスの作成MAPKのsem型変異体がLC-PTPにより抑制されないことを見い出し、sem型p38をノックインしたマウスを作成した。このマウスはp38の抑制系が働かない状態となると考えられ、今後、MAPK抑制機構の生理的意義の解析に使用する。
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