研究課題/領域番号 |
12052227
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
仲下 英雄 理化学研究所, 微生物制御研究室, 研究員 (70280724)
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研究分担者 |
有江 力 東京農工大学, 農学部, 助教授 (00211706)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2000年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | アラビドプシス / いもち病 / フザリウム / タバコ / PRタンパク質 |
研究概要 |
BITによって誘導される遺伝子の探索はディファレンシャル・ディスプレイ法によって行った。現在までに72通りのプライマーの組み合わせを用いてディファレンシャルディスプレイを行った結果、BIT処理により特異的に発現または増幅して検出される遺伝子が19断片見出された。これらのうち14断片のバンドについてクローニングを行い、ノーザンハイブリダイゼーションによって確認した結果、4断片についてBIT処理による誘導が確認された。現在、これらのDNA断片の配列の決定、残りのDNA断片の誘導性の確認を行っている。 SARマーカー遺伝子を指標にして、新たなSAR誘導化合物の探索を行った。クロロイソニコチン酸誘導体NCIはイネにイネいもち病抵抗性を誘導することが報告されているが、そのメカニズムは明らかでなかった。アラビドプシスに処理した結果、0.1mg/mlでPR-1の誘導が認められた。また、NahGトランスジェニック植物においてはPR-1を誘導せず、NCIによるPR-1誘導はSA合成を伴って起こることが示唆された。NCIが双子葉植物において抵抗性を誘導することは、タバコ-TMV系で確認済みであるが、アラビドプシスにおいても病害抵抗性を誘導するか否かについて検討中である。 バリダマイシンA(validamycin A)あるいはバリドキシルアミンA(validoxylamine A)100ppmの茎葉散布は、Fusarium oxysporum f.sp.lycopersiciが起こす土壌伝染性維管束病であるトマト萎凋病の発病抑制効果を示した。この活性は薬剤処理3週間後でも残存しており、BTH、PBZ等の茎葉散布に比べて高い抑制効果を示した。また、非病原性フザリウム菌の前接種よる抵抗性誘導に比較して安定した抑制効果が観察された。両化合物はF.oxysporumに対する抗菌活性を持たないことから、この効果は茎葉散布による抵抗性誘導によることが推測された。定量RT-PCR法により、PRタンパク質であるPR1aおよびWIPII遺伝子の発現を調査したところ、どちらも発現が誘導されなかった。したがって、本抵抗性誘導がSARとは異なるメカニズムによることが推定された。
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