研究課題/領域番号 |
12053208
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
富永 真琴 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (90260041)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2000年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 痛み / カプサイシン受容体 / VR1 / 可塑性 / プロトン / ATP |
研究概要 |
従来用いられてきた鎮痛治療法に抵抗性の神経因性疼痛の発生には異なる神経可塑性が関与していると考えられている。これまでに、感覚回路の可塑的変化・痛覚伝達物質の変化・受容体の変化等が明らかにされてきている。そこで、最近その遺伝子クローニングがなされた痛み受容体であるカプサイシン受容体(VR1)およびそのホモログ(VRL-1)の可塑的変化を検討し、その機序を明らかにすることによって神経因性疼痛の発生基盤の本質に迫りたいと考えて本申請を行った。計画をした「VR1およびVRL-1の発現・機能変化の検討」は現在進行中である。もう一つの計画「VR1機能制御機構の解析」については、細胞外Ca依存性の脱感作機構に関してcalmodulin変異体を作成して解析している。他の側面からも制御機構の検討を行っており、プロトンとATPによる制御機構の検討を行った。プロトンはVR1を直接活性化するのみならずカプサイシン活性化電流、熱活性化電流を増大させる。VR1の細胞外ドメインの酸性アミノ酸の変異体解析によって、後者の機構に第3細胞外ループのグルタミン酸(E600)が重要な役割を果たしていることは明らかとなった(論文として発表)。炎症関連メデイエイターの1つである細胞外ATPのVR1活性に対する作用を検討した結果、これまで知られているイオンチャネル型(P2X)受容体のみならず代謝型(P2Y)受容体にも作用してPKCの活性化を介してVR1活性を制御していることが明らかとなった。これは、ATPによる全く新しい疼痛発生メカニズムとして注目される(論文はunder revision)。
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