研究課題/領域番号 |
12053280
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
久保 義弘 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80211887)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2000年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 代謝型 / グルタミン酸 / 受容体 / Homer / Gd^<3+> |
研究概要 |
我々は、アフリカツメガエル卵母細胞を発現系とする実験で、代謝型グルタミン酸受容体(mGluR1)がグルタミン酸のみならず細胞外Ca^<2+>濃度の上昇によっても活性化されることを見い出し、またその感受性を決定している一次構造の基盤を同定した。 ところで、ツメガエル卵母細胞では、mGluR1は副甲状腺の細胞外Ca^<2+>センサーと同様にGd^<3+>などの3価陽イオンに対して高い感受性を示したが、CHO細胞に発現させた時にはGd^<3+>に対する応答は全く見られなかった。このことは、mGluR1分子の構成や状態が発現系により異なる可能性を示唆する。そこで、mGluR1をクラスター化させる分子であるHomer1c、もしくはそのsplicing variantでクラスター化能力を欠くHomer1aの共発現がmGluR1の受容体機能に及ぼす作用について解析した。発現系としてはHEK293細胞を用い、一過性に遺伝子導入して、リガンド投与時の細胞内Ca^<2+>濃度の上昇をCa^<2+>濃度指示薬fura-2AMにより記録した。その結果、Homer1cの共発現により(1)グルタミン酸に対する応答のピーク値が高まること、(2)グルタミン酸に対する用量応答関係が右側に(感受性が下がる向きに)シフトすること、(2)グルタミン酸刺激に対する応答の立ち上がり速度が上昇すること、(3)Gd^<3+>投与に対する応答が出現すること、を見いだした。クラスター化能力の無いHomer1aの共発現によっては、グルタミン酸応答のピーク値、応答の立ち上がり速度ともむしろ減少し、Gd^<3+>に対する応答はみられなかった。以上の結果から、mGluR1のリガンド受容という機能が、クラスター化分子の存在によって変化することが示され、このことが発現系の違いによる機能の相違のひとつの要因である可能性が示唆された。
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