研究課題/領域番号 |
12125201
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
新野 宏 東京大学, 海洋研究所, 教授 (90272525)
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研究分担者 |
小森 悟 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60127082)
増田 章 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (60091401)
木村 隆治 (木村 龍治) 東京大学, 海洋研究所, 名誉教授 (20013576)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
68,700千円 (直接経費: 68,700千円)
2002年度: 34,800千円 (直接経費: 34,800千円)
2001年度: 33,900千円 (直接経費: 33,900千円)
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キーワード | 環境乱流 / 竜巻 / ポーラーロウ / 地衡流乱流 / ラインズ / バスタブ渦 / 表面更新渦 / 交換係数 / スーパーセル / 二重拡散対流 / 地衝流乱流 / 中規模渦 / 地球温暖化 |
研究概要 |
大気中の大規模要素渦である竜巻やポーラーロウの構造と生成・発達機構を高解像度の数値実験により明らかにした。スーパーセルに伴う竜巻は、スーパーセル内部の地表付近に形成されるガスト・フロントと呼ばれる局地前線の水平シアに伴う鉛直渦度を上空のメソサイクロンに伴う強い上昇流で引き伸ばすことにより作られることが明らかとなった。一方、ポーラーロウの発達には傾圧不安定と水蒸気の凝結に伴う加熱が重要な役割を演じていることがわかった。特に、大気の傾圧性が弱いときにはほぼ軸対称で、台風に似た目とスパイラルバンドを持つポーラーロウが、傾圧性が強いときにはコンマ状の雲パターンを伴うポーラーロウが発生することが明らかになった。また、室内実験により定常で強いバスタブ渦の構造を調べたところ、周方向の流速の半径分布は非線形な底面回転境界層の特性に依存して大きく変わることが明らかになった。この結果は、大気の激しい渦が多様な速度分布が見られることをうまく説明する。 次に、密度成層と地球の回転の効果を受けた環境乱流の統計特性を理論的考察と数値実験により調べた。地球の回転効果の緯度変化がある回転乱流では、密度成層の効果が重要でないときには、帯状流が南北に並ぶ構造が形成されること(ラインズ効果)が知られているが、密度成層の効果がきくと、ラインズ効果は抑制されることが明らかになった。また、成層の効果の聞いた減衰乱流について、その時間変化を記述する自己相似解が存在することを見つけた。 更に、地球温暖化に重要な二酸化炭素の動態を把握する上で、大気-海洋間の交換過程が注目されているが、この交換過程に寄与する乱流渦の役割と構造を明らかにするために数値実験と室内実験を行った結果、交換過程には表面更新渦と呼ばれる大規模要素渦が重要な働きを演じていること、交換係数は表面更新渦の発生頻度の平方根に比例することが明らかになった。
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