研究課題/領域番号 |
12132102
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京大学 (2001-2003) 東京理科大学 (2000) |
研究代表者 |
藤崎 博也 東京大学, 大学院・工学系研究科, 名誉教授 (80010776)
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研究分担者 |
大野 澄雄 東京工科大学, 工学部, 助教授 (80256677)
前川 喜久雄 独立行政法人国立国語研究所, 研究開発部門, 領域長 (20173693)
窪薗 晴夫 神戸大学, 文学部, 教授 (80153328)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
35,000千円 (直接経費: 35,000千円)
2003年度: 11,700千円 (直接経費: 11,700千円)
2002年度: 11,700千円 (直接経費: 11,700千円)
2001年度: 11,600千円 (直接経費: 11,600千円)
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キーワード | 韻律 / 韻律の定式化 / 韻律のモデル化 / 言語情報 / 日本語のリズム / パラ言語情報 / 非言語情報 / 感情 / モーラリズム / 基本周波数パターン / 音声の時間構造 |
研究概要 |
1.各種韻律的特徴における言語情報の表出過程のモデル化とそのパラメータの自動抽出法の確立 日本語以外に対する基本周波数の生成過程に基づくモデルの適用可能性について、前年度に引き続いてタイ語・ヒンズー語について詳細に調べたのに加え、新たにポルトガル語・ベトナム語について妥当性の検証を行った。また、日本語を中心に、所与の基本周波数パターンに対し、モデルのパラメータを自動抽出する手法を確立し評価を行う一方、標準中国語などへも同手法が適用可能であることを確認した。 2.日本語モーラリズムの制御方式の音声学的要因の明確化 母音無声化現象を手がかりにして、東京方言の時間制御メカニズムを探った。従来、無声化が起こりやすいと言われている音声環境において、/a/などの非無声化母音も短くなること、また、促音に先行する母音は他の母音より長くなりやすいことを確認した。しかし、「摩擦音に挟まれた環境では母音が長くなりやすい」「同一モーラが連続する場合には最初の母音が短くなりやすい」という仮説については支持する結果が得られなかった。 3.パラ言語の表出過程のモデル化とそれに基づく合成音声の知覚的評価 パラ言語情報に関連した声質の変動を解明するために、喉頭音源スペクトルの音響分析と高速度ビデオによる声門面積変動パタンの分析を実施した。その結果、「落胆」の発話では明らかなbreathy phonation、「感心」では程度の弱いbreathy phonation、「疑い」ではpressed phonation、そして「中立」ではmodal phonationがおこなわれていることを確認した。さらに研究開始以来の成果を総合する目的で、パラ言語情報、非言語情報を考慮に入れた音声生成過程の概念図を構築し、それに依拠してパラ言語情報の言語依存性の成因を解明した。 4.感情の表出過程のモデル化 「怒り」-「恐れ」と「喜び」-「悲しみ」の相対する2組の感情に関して、その韻律的特徴への表出について、演劇経験者による典型的な発声を収録し、生成過程モデルに基づいて分析を行った。また、より自発的な発話に現れる感情の表出を捉えるため、模擬対話による「怒り」の発話を収集し、各種韻律的特徴の分析を行った。
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