配分額 *注記 |
41,400千円 (直接経費: 41,400千円)
2003年度: 8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
2002年度: 15,600千円 (直接経費: 15,600千円)
2001年度: 17,400千円 (直接経費: 17,400千円)
|
研究概要 |
本研究班では,さまざまなモバイル端末上で活用されてきているモバイルソフトウェアをより安全に実行するためのオペレーティングシステムの支援機構,動的適応可能なセキュアエージェントソフトウェア,およびセキュアキャンパスコンピューティング環境の実現をめざして研究開発を行った.主な成果として以下が挙げられる。1)モバイルコードからの資源不正利用に対処するOS支援機構を設計し,そのプログラミングインタフェースとGUIを実装し,その性能評価を行った.2)メモリやCPUなどの計算資源をOSレベルで予約可能とする枠組および移動エージェントを認証する枠組の機能設計を行い,プロトタイプの実装およびアプリケーションの記述を通して,悪意のあるエージェントによる計算資源の浪費や正当なエージェントへの成りすましに対して両枠組みが有効であることを確認した.3)セキュアなモバイルアプリケーションを実践するためのテストベッドとして,ユーザが携帯する端末だけでなく,その周囲の環境に計算機や入出力機器を埋め込むことで情報処理能力を持たせ,それらを相互接続する環境,Smart Space LaboratoryおよびSmart Furnitureを構築した.4)キャンパス内で日常的に利用されているサービスやアプリケーションを対象に,セキュアな実行とともに,個人情報などが漏洩せず,かつ個人に適応した形でサービスが提供できる機構を実装,評価した.これらに関して,基礎的な技術開発だけでなく,実際に利用可能なセキュアなオペレーティングシステム支援機構,セキュアエージェントソフトウェア,セキュアキャンパスアプリケーションを実装し,評価した点がユニークである.また,研究コミュニティで利用されているReal-Time Machオペレーティングシステム上で開発・検証したOS支援機構を,実際に広く普及しているオープンソースのLinuxオペレーティングシステム上に研究成果を移植し,より多種のモバイルプラットフォーム上で利用できる改良を行った点も評価できる.
|