配分額 *注記 |
29,000千円 (直接経費: 29,000千円)
2003年度: 9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
2002年度: 9,900千円 (直接経費: 9,900千円)
2001年度: 9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
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研究概要 |
前年度,ナノ分極ドットの高速反転特性および分極反転のリアルタイム計測によるAnti-Parallel分極反転現象を報告したが,そのいずれも厚い試料に対して平行平板電極を用いて行われた従来の報告とは矛盾するものであった.そこで今回薄片化した一致溶融組成LiTaO_3(CLT)を試料に用い,その分極反転特性の電界及び膜厚依存性を調べ,CLTにおいてもナノセカンドの分極反転が可能である裏付けを得た.またリアルタイム計測法を用いて分極反転現象をより詳細に調べ,分極反転する領域が通常の円形ではなく,ある条件が揃うとリング状になる場合があることを見出した. 次に高次走査型非線形誘電率顕微鏡法用い強誘電体表面に吸着している水の層の変化及び表面常誘電層を観測した.即ち,吸着層である水のSNDM信号への影響を明らかにするため,真空中で試料の温度を変化し測定することが出来る「温度制御型走査型非線形誘電率顕微鏡」を用い,実験及び有限要素法による計算によって水の存在を検証した. また,強誘電体記録用大面積薄膜媒体として,PbTiO_3薄膜を水熱合成法により作製し単結晶に近い膜を得,そこに半径9.8nmのナノドメインドットを形成することに成功した. 最後にLiTaO_3単結晶媒体においても大面積記録媒体を作製した.即ち,従来の試料作製法では,実用上十分な面積を有する記録媒体を作製することは困難であった.そこで今回新たに,分極制御ウェットエッチング(polarization controlled wet etching ; PCWE)法によって大面積記録媒体を作製するプロセスを開発しこれを用いた実記録のビット誤り率を計測した.
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