研究課題/領域番号 |
12135101
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高井 幹夫 大阪大学, 極限科学研究センター, 教授 (90142306)
|
研究分担者 |
安達 洋 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (80005446)
山本 恵彦 筑波大学, 物理工学系, 教授 (60251039)
石川 順三 京都大学, 工学研究科, 教授 (80026278)
三村 秀典 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (90144055)
梶原 和夫 ソニー, テクニカルサポートセンター, 主幹研究員
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | 真空マイクロエレクトロニクス / レーザクリーニング / 窒化物炭化物陰極 / ナノ電子源 / 電子源アレイ / 電子放出 / 低エネルギー分散 / 電界放出 / 電界放出電子源 / 電子源の高輝度化 / 電子源の安定化 / FED / ディスプレイ / 陰極材料 |
研究概要 |
特定領域研究各計画研究の項目と方針の確認のための会議を毎年1回と進捗状況の把握と研究結果の評価、研究項目と計画の調整のための会合を3回、および平成12年度より年度末3月に特定領域研究総括班主催のシンポジウムを毎年開催(平成16年3月には「真空ナノエレクトロニクス」)、平成15年7月に特定研究の成果発表を兼ねて国際会議「第16回国際真空マイクロエレクトロニクス会議(IVMC2003)」を開催した。 具体的な成果としては、 1)新しい陰極材料として窒化物(HfN, TaN, NbN)・炭化物(HfC, WC, VC, ZrC, CrC)陰極の開発を行い、従来の材料との特性比較、プロセスの検討をした結果、NbNが安定で優れた陰極材料であることが分かった。 2)電子源構造制御として、特に極微細化の限界と表面安定化・高輝度化について検討した結果、ビームプロセスによりナノ電子源が自由に設計製作でき、ナノ間隙のエミッタを試作出来た。 3)電子源表面のクリーニングプロセスとして、UVレーザクリーニングが有効であることが明らかになった。カーボンナノチューブ(CNT)陰極の電子放出特性をUVレーザやイオン照射により、4桁向上出来ることが分かった。さらに、CNT陰極では実動真空度として10^<-4>Paで充分であることを明らかにした。 4)分子線による陰極表面安定化と局所仕事関数について検討し、仕事関数を介した表面反応制御が可能であることを明らかにした。 5)電子源アレイの拡大投射エミッション計測により、エミッタの動作割合を明らかにし、ガス導入電子放出等の放出特性の均一化法を確立した。 6)放出電子のエネルギー分散計測を行い、低エネルギー分散化の可能性を試みた。特に、GaAs/AlAs量子構造からなる共鳴トンネル陰極を試作した。Siエミッタでは、放出電子のエネルギー分散が0.4eV(n-type),0.8eV(p-type)であることを明らかにした。 7)ナノサイズのギャップを持つ横型Siエミッタでは1ティップで1mA以上の放出電流が得られた。 8)Siティップ上に単結晶および多結晶ダイアモンドを成長させ、高輝度電子源のためには多結晶粒界を用いた多結晶ダイアモンドが優れており、単結晶ダイアモンドでは放出電流が少ないことを明らかにした。 9)マイクロ波ミリ波帯領域の変調電子ビーム発生を目標にGaAsガン効果による電子放射を実現した。また、低エネルギー電子ビームと回折格子の相互作用による可視光から近赤外領域でのスミスパーセル放射を観測した。さらに、電界放出電子源によるパルス動作小型X線管の作製と時間分解(10us)X線画像化装置の試作を行った。 以上の研究を通して、高輝度電子源アレイの実現と真空マイクロエレクトロニクスへの展開のための調整を行った。
|