配分額 *注記 |
34,200千円 (直接経費: 34,200千円)
2003年度: 12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
2002年度: 12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
2001年度: 10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
|
研究概要 |
Immunoglobulin(Ig)-like receptor(IgLR)という範疇に属する新規なレセプター分子群が続々と単離され,その機能が注目され始めてまだ5年ほどしか経過していないが,これらが免疫調節に重要な役割を担う証拠が次々と挙がっている.マウスのPaired IgLR(PIR)は活性化シグナルを伝達するPIR-Aと,逆に抑制性シグナルを伝達するPIR-Bのペアからなる代表的なIgLRであるが,PIR-Bが欠損するとB細胞,樹状細胞のシグナル伝達が撹乱され,その免疫応答はTh2型に著しく偏ることを我々は本研究課題において示してきた.本年度は,正常な免疫応答に不可欠であるこのレセプター・ペアが何を認識し,どのようなシグナルを細胞内に導入しているのか,さらに免疫疾患にどのように関連しているのかを明らかにすることでマスト細胞機能,およびアレルギーや自己免疫などの発症に関する新規な機構を解明することを目的とした.その縞果,PIR-B,PIR-AともにMHC class I分子を認識し,PTR-Bの欠損によって移植片対宿主反応が亢進してホストのGVHDが増悪することが分かった,さらにマスト細胞はこの識別機構を喪失した結果,刺激感受性が増大し,アレルギーを発症しやすくなる素地を形成することが分かった.したがってPIRはTCRやKIRとともに自己MHC class Iを認識する第3のシステムを構築し,自己反応性および外界からの無用な刺激応答性を回避していることが示唆された.
|