研究課題/領域番号 |
12141204
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 国立がんセンター(研究所) (2002-2004) 愛知県がんセンター (2000-2001) |
研究代表者 |
藤田 雅俊 国立がんセンター(研究所), ウイルス部, 室長 (30270713)
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研究分担者 |
清野 透 国立がんセンター(研究所), ウイルス部, 部長 (10186356)
小布施 力史 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (00273855)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
38,800千円 (直接経費: 38,800千円)
2004年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
2003年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
2002年度: 9,400千円 (直接経費: 9,400千円)
2001年度: 9,400千円 (直接経費: 9,400千円)
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キーワード | DNA複製 / 細胞周期制御 / 染色体不安定性 / サイクリン / Cdk / Cdt1 / 発癌 / クロマチンリモデリング複合体 / 核アクチン / ORC / geminin / DNA障害チェックポイント系 / ヒト細胞 / DNA複製開始制御 / CDK / CDC6 / MCM / Geminin / 細胞周期 / ORC蛋白 / CDC6蛋白 / MCM蛋白 / グロビン遺伝子 / クロマチン免疫沈降法 / 複製開始複合体 / ORCタンパク / CDC6タンパク / MCMタンパク |
研究概要 |
Cdt1はORC/CDC6と共に、MCM loading機構を形成している。S期以降は再複製防止のために、ORC/CDC6はCdkリン酸化により抑制される。Cdt1制御は抑制蛋白gemininの結合によると考えられていたが、Cdkリン酸化によっても機能抑制されることを我々は明らかにした。すなわち、Cdt1はgemininとCdkリン酸化という二つの機構で、S期以降機能抑制されている。そのように厳密にCdt1活性が制御されているということは、その逸脱は重大な障害を引き起こす可能性が考えられる。実際に癌細胞株においてCdt1の過剰発現が認められた。そこでCdt1過剰発現の効果を調べたところ、再複製を誘導することなく染色体障害を引き起こしATM-Chk2系を活性化することがわかった。このような効果はORC1やCDC6では認められなかった。さらに、ヒト正常繊維芽細胞にCdt1を過剰発現させたところ、染色体不安定性が誘導された。最近Cdt1が発がんに関わっている可能性が報告されたが、我々の知見はその分子基盤を明らかにしたものである。過剰発現が染色体障害・ATM系の活性化を引き起こす分子の例はあまりなく、染色体不安定性の新しい機構であると考えられ、その詳細な分子機構の検討を進めている。 アクチン特異的阻害剤latrunculinに耐性な変異ベータアクチンを持つHeLa細胞を樹立し、そこからベータアクチンを含むBrg1クロマチンリモデリング複合体を精製し、解析した。結果としてATPase活性を含めたlatrunculinで抑制されるベータアクチンの機能はクロマチンリモデリング活性に必要ではないことが示唆された。一方、ベータアクチンとhuman Arp4/BAF53がdimerを形成することを明らかにした。実際にArp4の発現を抑制すると、Brg1複合体中のベータアクチン量も減少し、アクチンはArp4とのdimerとして核に輸送され、Brg1複合体に取り込まれる可能性が考えられた。またベータアクチンとArp4を含まない、Brg1複合体の活性は低下していた。よってこれら二つの分子はBrg1複合体の機能にとって重要であることが示された。しかしその分子機構は依然なぞである。
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