配分額 *注記 |
51,200千円 (直接経費: 51,200千円)
2004年度: 12,800千円 (直接経費: 12,800千円)
2003年度: 12,800千円 (直接経費: 12,800千円)
2002年度: 12,800千円 (直接経費: 12,800千円)
2001年度: 12,800千円 (直接経費: 12,800千円)
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研究概要 |
細胞間隙における物質輸送を担う装置タイトジャンクション(TJ)に着目し,1)TJの構成タンパクの機能解析と2)TJバリアに影響を及ぼす病原因子の作用解析から,細胞間物質輸送機構の理解を目指した。 1.TJ構成タンパクの機能解析 (1)TJの構造と機能に本質的に関与するクローディン1と5の欠失マウスを作製した。その結果,表皮におけるTJの存在を世界で初めて示し、またクローディン5が脳血液関門のバリアを形成するTJを構成することが明らかとなった。 (2)TJが上皮細胞において,どのように細胞間バリアを維持するかについて蛍光タンパク標識クローディンを用いて解析した。その結果、2細胞間の接着領域が動的に短縮する際に、過剰になったTJストランドのクローディンが一方の細胞にエンドサイトーシスされることを明らかにした。このような特徴的なターンオーバーの機構が、運動中の上皮細胞において細胞シートのバリア機能を維持するために役立っていると考えられた。 2.TJバリアに影響を及ぼす病原因子の作用解析 (1)腸管病原性大腸菌(EPEC)の上皮細胞感染モデルで見られる、細胞間バリアの開口機構を解析した。この結果,EPECが産生するMapと呼ばれる病原因子がバリア開口に関与していることがわかった。また,EPECに特徴的な上皮細胞への接着が、Mapとは別の、バリア開口に必須の病原因子を分泌させるトリガーになっていることがわかった。 (2)クローディンを特異受容体として認識するウエルシュ菌エンテロトキシン(CPE)のクローディンへの結合様式と、TJバリアへの作用ついて検討した。その結果,CPEはクローディン3と4以外に,6,7,8,14にも結合すること,第二細胞外ループを認識すること,CPEのクローディン結合断片の作用によって,細胞間バリアが開口することを示した。
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