研究課題/領域番号 |
12202059
|
研究種目 |
特定領域研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 放射線医学総合研究所 |
研究代表者 |
三田 和英 放射線医学総合研究所, 第2研究グループ, 研究員 (30159165)
|
研究分担者 |
嶋田 透 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (20202111)
根井 充 放射線医学総合研究所, 生物影響研究部, 研究員 (10164659)
沼田 幸子 放射線医学総合研究所, 生物影響研究部, 研究員 (40158754)
|
研究期間 (年度) |
2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
キーワード | カイコ / ゲノム研究 / ゲノム構造 / カイコ固有の生物機能 / カイコ特異的遺伝子 / 遺伝子の水平移動 / 遺伝子喪失 |
研究概要 |
本研究では鱗翅目昆虫カイコのゲノム研究を進展させ、その情報を用いてカイコ固有の生物機能を生ずる原因遺伝子を同定し、それら遺伝子が局在する染色体のゲノム構造を解析し、それらと生物機能との関連を解析する。具体的にはカイコESTデータベースの拡充を行い、既にゲノム解析が終了しているショウジョウバエや線虫のゲノム情報と比較を行い、ショウジョウバエ等には相同遺伝子がないカイコ特異的遺伝子をリストアップする。カイコBACライブラリーを用いて、これらカイコ特異的遺伝子の存在する領域のゲノム環境を明らかにし、カイコ固有の生物機能を生ずるゲノム構造の特徴を明らかにする。これまで得られた結果をまとめるとカイコ固有の生物機能を獲得するには3つの方法が考えられる。(1)遺伝子の水平移動(2)遺伝子ネットワークの変化(3)遺伝子の喪失。特に(1)については我々はショウジョウバエ、線虫、哺乳類にも相同性を示さず、細菌に高い相同性を示す4個の遺伝子を見い出した。細菌のキチナーゼ、スクラーゼ、グルコース-1-ホスファターゼ、グリセロホスホジエステルホスホジエステラーゼであり、これらはいずれも細胞外へ分泌される酵素であることが注目される。(2)についてはカイコはショウジョウバエとは異なる性決定機構を有するが、ショウジョウバエで性決定に重要な遺伝子のホモローグはほとんどカイコにも存在することが分かった。それらの因子の突然変異の集積が、互いの性決定遺伝子ネットワークの大規模な再編を生じたと推定される。性染色体の構造を知ることはゲノム構造と生物機能の関連を解明する上で重要である。性染色体Zに局在している遺伝子をリストアップしているが、これまで見い出された遺伝子はいずれも神経系に関連し、その遺伝子発現パターンも組織および発生段階特異的と推定され、ゲノム構造と遺伝子発現との関連が考えられる。
|