研究課題
特定領域研究
1)転座切断点近傍の構造解析を迅速化し、かつ貴重な試料を節約するためAdaptor-ligated PCR法を応用した転座切断点の単離法を開発した。この方法により100ngのゲノムDNAを用いて、約4日間の操作で切断点の構造情報が得られるようになった。2)西南日本に多発する成人T細胞白血病(ATL)のほとんどの症例ではHTLV-1ウイルスの宿主ゲノム内への挿入が検出される。そこで、上述の手法を応用し、5種類のATL患者由来の細胞株と33症例のATL患者由来試料から合計58箇所の新規ウイルス挿入部位を単離し、現在までに報告されていたウイルス挿入部位を加え,合計106箇所のHTLV-1挿入部位について、近傍の遺伝子との関連を解析した。その結果、ウイルスは遺伝子発現を行っているクロマチン領域に挿入されやすいことが明らかとなった。また本研究によって、遺伝子領域内へHTLLV-1の挿入が起こると約20%のATL症例において、挿入された遺伝子の過剰発現が誘導されることが明らかとなった。これらの過剰発現が誘導された遺伝子には、GPHNやANK1遺伝子が存在した。3)ATLの発症にはHTLV-1の感染だけでは不十分で、細胞内遺伝子の発現変化が必須である。成人T細胞白血病(ATL)では、ヒト14番染色体、2番染色体、ならびに17番染色体の各長腕に染色体異常の集積領域が存在する。われわれは、14番染色体の染色体異常好発領域近傍からATLの発症に深く関わる遺伝子を同定しATL1と命名した。この遺伝子をHela細胞で強制発現させると腫瘍抑制効果が認められた。したがって、この遺伝子の発現減少がATLの発症と深く結びついている可能性が強く示唆された。
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