研究概要 |
(背景と目的) インプリンティングとは遺伝子が父親あるいは母親由来のアリールのみ発現する現象である。我々これまでに、インプリンティングを指標としてBeckwith-Wiedemann症候群の原因遺伝子がp57KIP2であることを見いだした。最近IDDM2,IDDM8,IDDM10,TNDMなど糖尿病の原因遺伝子の多くがインプリンティングを受ける遺伝子であること、さらにインプリンティングを受ける遺伝子の中にINSULIN,IGF2,IGF2R,GRB10などINSULIN関連遺伝子やその情報伝達経路にある遺伝子が多くみられることがわかってきた。そこで本研究はインプリンティングを受ける遺伝子を組織的に単離しその中から糖尿病関連遺伝子を検索することを目的とする。 (検討結果) インプリンティングを受ける遺伝子は片親のゲノムのみを持つAndrogenesis胚あるいはParthenogenesis胚で発現がなくなっているので、発現量の差を指標として検索できる。そこでdifferential display、microarray解析をおこなうことで新たなインプリンティングを受ける遺伝子を組織的に単離した。その結果14個のインプリンティングを受ける遺伝子をみつけることができた。現在そのうちの新規の3個について詳細な解析をおこなっているところである。 (考察) Androgenesis胚あるいはParthenogenesis胚をdifferential display、microarrayを用いて解析し、インプリンティングを受ける遺伝子を組織的かつ効率的に単離できることがわかった。
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