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多因子疾患の遺伝解析系としてのマウスSMXARI系統群の基盤整備と応用

研究課題

研究課題/領域番号 12204054
研究種目

特定領域研究(C)

配分区分補助金
審査区分 生物系
研究機関名古屋大学

研究代表者

西村 正彦  名古屋大学, 医学部, 教授 (20073661)

研究分担者 大野 民生  名古屋大学, 医学部, 助手 (90293620)
堀尾 文彦  名古屋大学, 生命農学研究科, 助教授 (20165591)
研究期間 (年度) 2000
研究課題ステータス 完了 (2000年度)
キーワードマウス / リコンビナント近交系群 / マイクロサテライトマーカー / 多因子疾患 / 耐糖能障害 / QTL解析 / SDP(sttain distribution pattern)
研究概要

マウスリコンビナント近交系(RI系統)群は異なる2種類の近交系間の雑種第2代を起源として育成された複数の近交系のセットであり、各系統の任意の染色体領域が両親系統のどちに由来しているかを示すSDP(strain distribution pattern)を作成し各系統の表現型と比較することで、対象とする表現型を支配する遺伝子の染色体マッピングを効率的に行うことが可能である。RI系統群は多因子形質の遺伝解析に極めて有効であることから、マウスを用いて遺伝解析を行う際の重要なインフラ(infrastructure)として認識されている。本研究では国内で唯一個体として系統維持されているSMXA RI系統群をより有用なインフラとして整備するため、詳細なSDPを作成することと、この成果を応用して糖代謝異常の原因遺伝子の染色体マッピングを行いその原因遺伝子を同定することを目的とした。
新たに150個以上のマイクロサテライト(Mit)マーカーによるSDPを追加した。この結果SDPを構成するMitマーカーの総数は400以上に達し、マーカー間の平均距離は約4.0cMとなった。SMXA RI系統群に糖負荷試験を行い耐糖能を調査した。両親系統(SM/J,A/J)の耐糖能は正常であるにもかかわらず、SMXA RI系統群のなかには耐糖能障害を示す系統が存在していた。この表現型データと上記のSDPを用いてQTL(quantitative trait loci)解析を行ったところ、マウスChr.2,18にはA/J系統由来の、Chr.10にはSM/J系統由来の耐糖能障害に関与する遺伝子の存在が推定された。
現状では高密度にSDPが作成されている領域と約20cMにわたってSDPが作成できていない領域が混在している。そこで今後は、SDPが充実していない領域をターゲットとしてSDPの更なる質的向上を図る必要がある。両親系統(SM/J,A/J)の耐糖能は正常であるにもかかわらず、SMXARI系統群のなかに耐糖能障害や高インスリン血症を示す系統が存在することは、正常な系統にも糖代謝異常に関与する遺伝子が存在し、それらの組み合わせによっては糖代謝異常を発症することを示している。この事実はヒトのNIDDMなど多因子疾患の遺伝的要因を解析する上で極めて興味深く、それら疾患の遺伝的解析にRI系統は有用であると考えられる。

報告書

(1件)
  • 2000 実績報告書

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2018-03-28  

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