研究課題/領域番号 |
12204057
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
鈴木 宏治 三重大学, 医学部, 教授 (70077808)
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研究分担者 |
和田 英夫 三重大学, 医学部, 助教授 (40158704)
井戸 正流 三重大学, 医学部・附属病院, 助教授 (90167263)
林 辰弥 三重大学, 医学部, 助手 (00242959)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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キーワード | 遺伝子異常 / 一塩基多型(SNP) / 先天性血栓性素因 / 抗血栓性因子 / 血栓症 / RFLP / PCR / 人種差 |
研究概要 |
これまでの研究で、欧米白人では血漿抗血栓性因子のプロテインCやプロテインSなどの遺伝子異常、血管内皮抗血栓性因子のトロンボモジュリン(TM)や血管内皮プロテインCレセプター(EPCR)などの遺伝子異常に起因する血栓塞栓性疾患患者が多数報告されている。これらの患者の多くは希有な部位での一塩基置換を主な原因とするが、これらとは別に比較的高頻度にみられる一塩基多型(single nucleotide polymorphism:SNP)に起因する患者も多々報告されている。しかし、日本人についてはこの種の研究は遅れており、詳細な解析は殆ど行われていない。本研究では、日本人における血栓性疾患の発症に関与すると推定される遺伝子群の塩基変異や遺伝子多型を解析し、日本人を含むモンゴル系人種に固有な血栓性素因を解明することを目的とするものである。本年度は、血管内皮細胞上の抗血栓性因子であるTMおよびEPCRのゲノム多型について、変異プライマーを用いたポリメラーゼ鎖伸長反応(PCR)後の制限酵素切断断片長多型(RFLP)解析法およびPCR-ダイレクトシークエンス法を用いて、それぞれ検討した。その結果、TM遺伝子については、日本人の冠動脈疾患患者ではその転写調節領域にG-33A多型を見い出した。一方、EPCR遺伝子については、第4エクソン上にA4678G(Ser219Gly)多型を見出したが、欧米人に報告されている第3エクソン中の23塩基の挿入変異はみられなかった。 以上の結果は、TM遺伝子上のG-33A多型やEPCR遺伝子上のSer219Gly多型が血栓症発症に関与する可能性を示唆するものである。現在、血栓性疾患患者の母集団を増すとともに正常人に関しても同様の解析を行い、これらのSNPと血栓症発症との関係を検討中である。
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